1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「鼻が反り返った小さなヘビ」が急死した本当の訳 誤った飼い方で死んでしまうケースはよくある

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 9時0分

女性の飼い主が大切に育てていたヘビの死因とは――(イラスト:一期一会/PIXTA)

飼っている動物が病気になったら、動物病院に連れていきますよね。動物病院には外科、内科、眼科など、さまざまな専門領域の獣医師がいますが、獣医病理医という獣医師がいることを知っていますか?
この記事では、獣医病理医の中村進一氏がこれまでさまざまな動物の病気や死と向き合ってきた中で、印象的だったエピソードをご紹介します。

今年の干支は巳(み)、ヘビです。ヘビは脱皮を繰り返しながら成長する爬虫類であり、巳年はそんなヘビの脱皮にちなみ、「変化」や「進歩」の年とされることもあります。

【写真で見る】シシ(獅子)のような「反り返った鼻」が特徴のシシバナヘビ

ただ、今年の干支だからといって、その姿をニュース映像などで目にする機会はあまり多くなかったように思います。やはり、その姿形を苦手とする人が多いからかもしれませんね。

一方で、ヘビは昔からペットとして熱狂的な愛好家が多くいる動物でもあります。

最近ではヘビを飼う女性も多い

近年、市販の飼育器具が充実し、飼育方法も少しずつ確立されてきたことによって、ヘビにかぎらず爬虫類全般が一般家庭でも広く飼われるようになってきました。以前は飼い主の大半が男性でしたが、最近は女性の飼い主も多く見かけます。

イヌやネコのように吠えたり鳴いたりしないこと、臭いが発生しにくいこと、哺乳類と比べて代謝がゆるやかなので餌を頻繁に与えなくてもよいこと(一般的な餌である冷凍マウスにどうにも抵抗がある……という人はいらっしゃるかもしれませんが)などから、ペットとしてのヘビには漠然と「飼いやすい」というイメージがあるかもしれません。

しかし、ヘビは長生きさせるために、それなりの注意が必要な動物です。

誤った飼い方で死んでしまうケースもよく見られ、近年の飼育数の増加に伴って、獣医病理医である僕のところに持ち込まれるヘビの遺体も目に見えて増えてきています。

この子が死んだ理由を知りたい

ペットとしてメジャーなヘビには、コーンスネークやボールパイソンなどがいますが、それらに並んで人気なのが、シシバナヘビです。シシ(獅子)のような「反り返った鼻」が特徴とされますが、この部位は実際には鼻ではなく、吻端板(ふんたんばん)という名称の鱗です。

全長は約80センチと小型で、動きがゆっくりとしており、初心者でも飼育がしやすい、体色や模様のバリエーションが豊富なことから、特に女性に人気の高い種です。

ある日、20代の女性の飼い主さんから、このシシバナヘビの一種、セイブシシバナヘビの病理解剖を依頼されました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください