相場が順調でもなぜか儲けが出ない投資家の特徴 勝率は高くてもトータルで負けていることも
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 8時50分
新NISAが始まって早1年。2024年の日経平均株価は、2023年の大納会終値3万3464円から2024年大納会終値3万9894円まで、19.2%上昇しましたが、「資産があまり増えていない」「減ってしまった」という個人投資家を見かけます。今回は、成績低迷から抜け出せない個人投資家によく見られるいくつかの特徴を紹介しましょう。
特徴①半歩遅れて他人の後を付いていく
広瀬美幸さん(仮名、40代)は、老後に備えて昨年1月に新NISA口座を開き、投資家デビューしました。「さて何を買おうか」と思案している内に日経平均がするすると上昇し、「まずい。買い遅れてしまう」と焦りました。
1月下旬に証券会社主催のセミナーに参加したところ、講師が「半導体が相場のメインテーマ。日本の半導体製造装置メーカーは、世界的に競争力があり、超有望」と力説していました。それを聞いて広瀬さんは、SCREENホールディングス(7735)に狙いを定めました。
2月中旬から同社の株価が急騰したので、「もう少し下がったところで買いたいな」と思っていたところ、さらに上昇。「このままだと永遠に買えない」と思い、2月下旬に1万9420円で100株(約194万円)買いました。
ところが、SCREEN株は広瀬さんが買ったタイミングが上昇トレンドの最終局面でした。翌週3月7日に2万0440円のピークを付け、下落トレンド入りしました。その後も低迷が続き、1月21日現在1万0910円で、広瀬さんは80万円超の含み損を抱えています。
自分の投資スタイルの確立を
多くの投資初心者は、自分なりの投資スタイルや相場観が確立されていません。そのため広瀬さんのように、他人の意見を聞いて半歩遅れて後を付いていくということになりがちです。
しかし、多くの投資家が強気になっている時は往々にして上昇トレンドの最終局面で、そこで買いを入れると高値掴みになります。株式投資は安く買って高く売れば儲かりますが、半歩遅れて他人の後を付いていくと、その逆で高く買って安く売ることになってしまいます。
「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言があります。他人の意見に惑わされず、自分なりの投資判断ができるようになることが、投資初心者から脱却したと言える状態です。もちろん、そうなるためには経験と学習が必要です。
特徴②良い我慢をしない、悪い我慢をしてしまう
松本真一さん(仮名、30代)は、4年前に投資家デビューしました。当初は投資信託を積立投資するだけでしたが、一昨年から日経平均連動のETFなどのスイングトレード(数日から数週間の取引)に挑戦しています。
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