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相場が順調でもなぜか儲けが出ない投資家の特徴 勝率は高くてもトータルで負けていることも

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 8時50分

学生時代に体育会で武術に熱中した松本さんは、大の負けず嫌い。株でも負けることが許せません。買った銘柄が値下がりすると、「指数連動だし、いずれ戻る」と含み損の状態で持ち続け、いよいよ耐えられなくなって損切りします。値上がりすると、「早く売らないと含み益がなくなってしまう」と売ります。

そのため松本さんは、2~6回数万円勝って、1回数十万円負けるということを繰り返しています。トレード全体の勝率は7割以上なのに、収支はマイナスです。

勝率は高くても、なぜかトータルで負けている

投資で負けるのは、誰しも嫌なことです。しかし、どんな達人でも、連戦連勝ということはありません。投資の神様と称されるウォーレン・バフェットであっても勝ったり負けたりです。勝率よりもトータルで資産が増えることが大切で、松本さんとは逆に大きく勝って小さく負ける必要があります。

そのためにポイントになるのが「我慢」で、良い我慢と悪い我慢があります。含み益が出たときに「売って利益確定したい」という誘惑に負けず、保有し続けるのが良い我慢です。含み損になったときに負けを認めて損切りをせず、保有し続けるのが悪い我慢です。

株式投資は、やっていることは市場との戦いです。ただ、パフォーマンスを大きく左右するのは、強欲・恐怖という感情をいかにコントロールするか、という自分との戦いなのです。

特徴③大きなリスクを取りすぎる

多岐川靖さん(仮名、30代)は2022年に投資家デビューしました。最初に買ったのは、仕事の関係でよく知っていたコスモスイニシア(8844)。2022年5月に420円で800株買いました。買った直後から株価は上昇し、2023年12月に920円で売りました。

この戦果に自信を深めた多岐川さんは、投資額を増やし、投資対象を商船三井(9104)など大型割安株にも広げました。この投資も順調で、さらに昨年5月からは日経平均レバレッジ・インデックス連動投信(1570)の信用取引を始めました。

信用取引も最初は利益が出ました。ところが、2024年8月5日の日経平均の暴落で、買い建てていた日経レバレッジに追証が発生し、手じまいを余儀なくされました。多岐川さんは、それまで2年間で積み上げてきた利益をこの信用取引ですべて失ってしまいました。

大きく投資して一発退場の憂き目に

多くの投資初心者が、デビューするに当たり「せっかく株をやるなら大儲けしたい」と考えます。そして、初期段階で勝つと、「俺って株の才能があるかも」と勘違いし、多岐川さんのように投資額を増やしたり信用取引を始めたりします。

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