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相場が順調でもなぜか儲けが出ない投資家の特徴 勝率は高くてもトータルで負けていることも

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 8時50分

しかし、仮に才能があったとしても勝ったり負けたりというのが株式投資の世界。リスクを取りすぎると、思わぬ相場の展開で大きな損失を被り、一発退場になってしまいます。

短期の株価はランダムウォーク(千鳥足)で不規則に変動するので、短期売買で勝つのは熟練したプロでも困難です。しかし、企業は利益を増やして株価を上げようと懸命に努力するので、多くの企業の株価が長期的には上昇します。

短期的に大きな利益を狙ってリスクを取るよりも、大きな損失で一発退場になることなく「相場に居続ける」ことを目指す方が、結果として大きな資産の形成につながります。

特徴④投資の勉強をしない

先ほどの広瀬美幸さんは、証券会社のセミナーで講師が推奨したSCREENを買いました。

松本真一さんは、チャートを見て、25日移動平均線との乖離率を見てスイングトレードをしました。

多岐川靖さんは、PBRやPERを見てコスモスイニシアや商船三井を買いました。日経レバレッジの信用取引はまったくの勘で売買しました。3人に共通する問題点は、投資の勉強が不足しているということです。

よく「投資の勉強をしたからといって、パフォーマンスが上がるわけではない」と主張する人がいます。そういう人が引き合いに出すのが、「サルのダーツ投げ」の逸話です。

猿に新聞の相場欄を目がけてダーツを投げさせ、刺さった銘柄でポートフォリオを組んだものと、専門家が綿密に選んだポートフォリオでは、さほど運用益に差がなかった、という話です。

危なそうな銘柄は避けることが可能

この逸話はその通りで、これから上がる銘柄を当てる(当て続ける)のは、熟練のプロでも至難の業で、勉強しても無駄になるかもしれません。しかし、「買ったら危ないぞ」という銘柄は、勉強すればかなり正確に見極めることができます。

具体的には、まず財務諸表(損益計算書・貸借対照表など)の見方を勉強します。そして狙った銘柄の自己資本比率、ROE、売上高総利益率といった経営指標を計算し、同業他社と比較します。

この勉強と作業をすることで、危ない株を掴んでしまうという致命的なミスを避けることができます。また、売買技術・ポートフォリオ管理・リスクヘッジなどは、勉強すればするほど上達します。勉強しても勝てませんが、生き残って相場に居続ける確率は確実に高まるのです。

新NISA導入から1年経って、投資初心者が「株なんてもうこりごり」と考えているなら、とても残念です。今回紹介した4点に留意し、初心者から脱し、着実に資産形成を実現してほしいものです。

日沖 健:経営コンサルタント

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