小倉智昭さんに同感「男性機能喪失」の寂しさ 膀胱の全摘出手術で生活の質は急改善したが…
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 7時40分
2024年春、ジャーナリストの山田稔(65)さんに膀胱がんが発覚、肺にも転移しており、ステージ4でした。医師が語る病状説明を淡々と受け入れ、がんとの共存の道を選択した山田さんは、抗がん剤治療を経て10月に膀胱の全摘出手術を受けました。本連載(今回は第9回)では、術後の男性機能喪失や、体に新たに生じた異変について記します。
トイレに行く回数が激減
10月末の膀胱全摘手術は順調に終わり、集中治療室での経過観察を含め術後1週間ほどで退院となった。3月の膀胱がん発見時に腎瘻手術を済ませており、尿路変更術が不要だったため、3分の1程度の短期間で退院することができたのだ。
術後は集中室にいた翌日からリハビリ生活がスタートし、病棟の部屋に移ってからも続いた。ベッドの上でこわごわと状態を起き上げることから始め、ベッドの縁に座る、病室内を歩くなどの行為を繰り返していくうちに体が慣れ、退院時には普通に歩けるようになっていた。リハビリは侮れない。
自宅に戻ってからの生活は、手術前とは一変した。象徴的なのはトイレに行く回数が激減したことだ。手術前は頻尿と血尿のためひどいときは1時間に1回の頻度でトイレに駆け込んでいた。それが退院後は、ウロガード(尿の集荷袋)内の尿を捨てる朝の排便時と、夜の尿捨て時の2回から3回で済むようになったのだ。
この差は大きい。1時間おきに起きていた頃に比べ、朝まで熟睡できるうえ、「トイレに行かなくては」というストレスから解放されたことも大きい。これだけでQOL(生活の質)は格段にアップした。
十分な睡眠が確保できるようになったこともあり、食欲も復活した。具合のいい日には吉祥寺のショッピングセンター内にある魚屋をのぞき、鯛やブリ、赤エビなど好みの魚介類を購入して帰宅後に料理する、そんな生活も戻ってきた。
日中の暖かな時間帯には近所の公園に向かい、日々色づいていくイチョウの姿をじっくりと眺めた。秋がどんどんと深まっていった。
治療は「抗体薬物複合体(ADC)」と呼ばれる新しいタイプの治療薬「パドセブ」の投与を再開した。4月に抗がん剤治療を始めて半年以上が経っていた。この間、我慢できないような大きな副作用には見舞われなかったが、少しずつ髪の毛が抜けていった。
朝、気が付くと枕元に髪の毛が数十本散乱している。まだまだ十分な量があるが、このままいったらどうなるんだろうか。体重も減少している。4月に63キロあったのが、11月中旬は53キロだから10キロも減ったことになる。無自覚のうちにカラダは少しずつ変化を遂げているようだ。
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