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共通テスト「ニュースがわかれば一発」の中身 冤罪事件や、インバウンドなど…様々な話題

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 7時50分

公共の教科書でこのことについて触れている記述はもちろんありますが、数行程度で大きなテーマにはなってはいません。それでも、この問題は解ける人は簡単に解けてしまいます。

2024年に起きたとある重大な出来事を知っている人であればわかるはずです。答えは「a」ですね。

出題の背景を考える

この問題が出題された背景になっているのは「袴田事件」だと考えられます。

袴田事件は、日本の司法における史上最悪の冤罪事件であると言われています。

1966年、静岡県で一家4人の強盗殺人・放火事件が発生し、当時30歳の袴田巌さんが犯人として逮捕されました。

袴田さんは無罪を訴えましたが、1980年に死刑判決が確定しました。しかし、袴田さんはその後も無罪を訴え続け、2014年にようやく再審開始が決定。2024年9月26日、静岡地裁は袴田さんの再審公判において、無罪判決を言い渡しました。逮捕から58年もの月日が経っていました。

袴田事件を通じて、警察の捜査体制や検察の姿勢、裁判所の判断、時間がかかりすぎる再審制度の在り方など、多くの問題が浮き彫りになりました。

日本社会全体がこの事件を反省し、教訓として、今後の司法の在り方について考えていかなければなりません。

今年度の共通テストで再審に関する問題が出題された背景には、これからの時代を担う受験生にはこの事件のことを知っていてほしいという、出題者の願いが込められているのかもしれません。

また、「国語」の第1問では、「観光」に関する評論文が題材として取り上げられました。

「見る」主体である観光客と「見られる」客体である現地の人々、あるいはよそ者として現地を「見る」観光と共に生活を「する」観光、といった「観光」という行為の2つの側面が示されたうえで、これらは単なる二項対立ではなく、複合的で反転しうるものである、というやや難しめの内容です。

文章全体を通じて、「観光」という行為について深く考え直すことが求められる内容となっていました。

オーバーツーリズムが深刻化

今、日本では「オーバーツーリズム」の問題が深刻化しています。「オーバーツーリズム」とは、多くの観光客が観光地に集まることで、ゴミや騒音などが生じたり、交通の便が不足することで、地元住民の生活環境が悪化してしまうという問題です。

日本で「オーバーツーリズム」の問題が深刻化している背景には、コロナ禍が明けて以降の急速な円安があります。外国人の観光客にとって比較的安価に旅行することができるため、日本を訪れる外国人観光客が急増しているのです。

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