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日曜劇場「御上先生」が近年一番の傑作になる予兆 衝撃的だった初回を経て、今後注目すべきポイント

東洋経済オンライン / 2025年1月26日 11時50分

女性問題に関するワードを、男女関係なく、この世界に生きる人たちに広く当てはめているのが『御上先生』だ。確かに、貧困や格差社会という個人の生きづらさは政治が解決するものであっていい。いや、あるべきだ。

これからの若い官僚予備軍に、倫理や哲学を学んでもらって、理不尽で私欲にまみれた政治の流れを変えてほしい、そんな願いを感じる。親子で見てほしいドラマである。

ものすごい出演者たちが集まった

未来を託される希望の生徒たちを演じる俳優たちは、気鋭の集まりだ。

神崎役の奥平大兼は、映画『MOTHER マザー』(2020年)で、母親がどれだけ奔放で自堕落な振る舞いをしても健気についていく息子を演じて注目された気鋭の俳優。

ほか、神崎の幼馴染で、御上に少し心を許しているように見える富永蒼役の蒔田彩珠。NHK朝ドラ『おかえりモネ』(2021年)ではヒロインの妹役という重要な役を演じた。

椎葉春乃役の吉柳咲良は、朝ドラ『ブギウギ』(2023年)でヒロインを脅かす新人歌手役で注目された。千木良遥役の髙石あかりは、主演映画『ベイビーわるきゅーれ』(2021年)の殺し屋役が注目され、朝ドラ『ばけばけ』(2025年度後期)のヒロイン役に決定している。

次元賢太役の窪塚愛流は個性派俳優・窪塚洋介を父に持ち、ポテンシャルの高さに期待されている。

生徒のほか、吉岡里帆、岡田将生、及川光博、迫田孝也等、実力と人気を兼ね備えた俳優たちが集結している。

御上がこれからの若者・神崎(彼も“カミ”! 余談だが『新聞記者』の松坂桃李演じる役の上司も“神崎”だった)と2人きりで語るところで「仰げば尊し」の断片がかすかに響き、そこからONE OK ROCKによる主題歌の流れるエンドタイトルも凝っていて(クレジットが早く切り替わって読めないのが難点)、かっこよく、力が入っているのを感じる。このレベルを最後までキープできたら、とんでもない傑作になるのではないか。

木俣 冬:コラムニスト

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