禅僧が勧める「起きてすぐ不安が消える」朝の習慣 ジョブズが毎朝鏡の前でしていた「問いかけ」
東洋経済オンライン / 2025年1月28日 7時0分
あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。
新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。
本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。
どんな不安も「動けば消える」
新しいことを始めるときは、誰もが不安を感じるものです。
【写真でわかる】不安を「大きくしない」人が実践している簡単なコツ
うまくいくだろうか、失敗したらどうしようと考え出すと、もう止まりません。その最たる例が「ひきこもり」の人たちではないでしょうか。周りにどう言われるか、どう見られるかばかりが気になり、身動きがとれなくなっています。
また、リスクマネジメントと称して、そうした不安の種をあらかじめ把握しておくのが「賢い」とされる昨今でもあります。しかし、不安の種を完全に取り除くまで安心できず、「動けない」ようではいけません。「石橋を叩いて渡る」ことができればいいのですが、叩き続けるばかりで一歩を踏み出せない。これは現代人に共通する傾向でしょう。
本来、そうした不安の9割は小さなこと。禅は、「とにかく今すぐ動きなさい、今すぐ動けば不安は消える」と説きます。これを「禅即行動(ぜんそくこうどう)」といいます。
例えば、朝から寒い日に出かけるのは誰だって嫌なものです。「風は冷たいのかな」「雨まで降ったらいやだな」と想像しだすと、布団からはい出ることすらかないません。
しかし、ひとたび外へ出てしまえば、風が冷たいからマフラーをする、雨が降っているから傘をさす等、現実的な対処を粛々とこなしていくのみ。不安など感じているひまなど、なくなってしまいます。
一歩踏み出すのも心配だというなら、「半歩」だけでも結構です。
要は、あれこれ先のことを心配する前に、動いてみること。不安の種があるなら、それを取り除く方向で動けばいいだけの話です。「動かずじっと悩んでいる」状況から脱し、ひとつひとつ行動に移せば、気持ちに弾みがついて、案外簡単に問題が解決してしまうかもしれません。
私にも身に覚えがあります。「今日はこの原稿を仕上げなくては」と思っているうちは重たい腰があがりませんが、「3行だけでも書こう」と思うとなんとか書き始めることができるのです。
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