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「3億円当選」宝くじ売り場に並ぶ人が知らない真実 「数」だけを見て、「割合」を考えない危うさとは

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 16時0分

数学的思考を駆使する「頭のいい人」たちが見ている世界とは(写真:metamorworks/PIXTA)

「頭のいい人は、日常をどんなふうに見ているのか?」

同じ日常を送っていても、知識の深さや物の見方次第で、得られる発見や洞察は驚くほど変わります。頭のいい人は探求心を持ち、日常の中で目にする何気ない言葉にも「この定義は何だろう?」と疑問を抱きます。その疑問が新たな発見を生み、さらなる知識を獲得。その答えをつなぎ合わせることで、連続的な学びを得ています。こうしたプロセスを通じて、頭のいい人たちは脳内で〈学習の自動化〉を実現しているのです。

この記事では、東大生作家の西岡壱誠氏の最新刊『頭のいい人だけが知っている世界の見方』より、数学的思考を駆使する「頭のいい人」たちの独自の世界の捉え方について、詳しくご紹介します。

宝くじ売り場の大当たり続出は利用者が多いだけ?

「この宝くじ売り場はすごい! 3億円が3人も過去に出ました!」と聞いたら、みなさんはどう思うでしょうか? おそらく多くの人は、「すごいけど、本当かなあ」と半信半疑になるのではないかと思います。全国のいろんな場所に、こうした「当たる宝くじ売り場」はあるわけですが、確率は同じはずなのに「当たる宝くじ売り場」「当たりにくい宝くじ売り場」が出るのはとても不思議ですよね。でも頭のいい人は、こういった宝くじ売り場を見て、全く別のことを考えるのです。

まずそもそも、なぜ「当たる宝くじ売り場」「当たりにくい宝くじ売り場」が出るのでしょうか? その理由はシンプルで、当選する人の「割合」は変わらなくても、「利用者」が多ければ、当選する人の「数」も多くなるからです。

仮に、10万人が買うA売り場と、100万人が買うB売り場があるとしましょう。

10万分の1で当たるくじだと仮定すると、A売り場は1人くらい当たっている可能性が高く、B売り場は10人くらい当たっている可能性が高いですね。確率的にはとても当たり前の話です。が、「何人買ったか」を隠すと、話がややこしくなります。

「A売り場は、1人当たっています」「B売り場は、10人当たっています」と言われると、「え! B売り場ってそんなに当選しているの? B売り場って当たりやすいのかな?」と考えてしまいます。

これは、分数の勉強をしている人ならわかると思うのですが、同じ割合でも、分母が多くなれば、分子も多くなります。「SSRが当たる確率1%!」というガチャは、理論上、100回回せば1回、1000回回せば10回当たる可能性があります。

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