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「僕はモラハラ夫」…本人が遂に悟るに至った経緯【再配信】 「よかれ」と思って妻にしたことは暴力だった(前編)

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 8時5分

(画像:『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』より)

「モラハラ・DV加害者変容のための当事者団体代表/妻と穏やかな幸せを生きながら『人は学び変わると信じられる社会』を目指して活動」――SNSで、こんなプロフィールを掲げるアカウントを見かけました。

世間ではよく「モラハラ夫(妻)は変われない」などと言われます。変わることは、現実に可能なのか? もし本当に変われるのなら、パートナーや子どもたちにとって、どんなにいいかと思うのですが。

加害した本人にとっても大事なことでしょう。以前取材した男性は、妻に長年暴力をふるっていましたが、心の奥では「ずっと誰かに止めてほしかった」と話していました。妻子が家を出ていった際は「これでやっとやめられる」と、安堵する気持ちも大きかったといいます。

『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』(漫画/瀧たまこ、KADOKAWA)。これは、加害者変容のための当事者団体「GADHA(ガドハ)」代表、中川瑛さんが原作を書いたコミックです。中川さんはこれまでにどんな経験をしてきたのか? 団体では何が行われているのか。そして、加害者は本当に変わることができるのか。聞かせてもらいました。

【こちらは2023年7月に公開した記事の再配信です】

妻のことが好きで大切なのに傷つけてしまう

――『99%離婚』では、会社員の夫が専業主婦の妻にモラハラを続け、妻は子どもを連れて家を出ていってしまいます。中川さんご自身の経験ですか?

【マンガ】「これだから困るよな 常識ない専業主婦は…」夫が妻に日常的に浴びせる言葉の数々は…

いえ、うちには子どもがいませんし、僕は会社員でもありません。原作のストーリーは、いろんな方々のケースを統合してつくりました。ただし、加害のパターンは完全にかぶっていて、僕自身も主人公と同じようなことをしていました。

――ご自身は、どんな経験をされたのでしょう。

結婚したのが7年前です。最初はよかったのですが、だんだんとストレスがあるときお酒を飲むことで自分の傷つきやしんどさをケアするようになり、酔って妻に暴言を吐くようになりました。妻が喋りたくなさそうにしていると、「なんでそんな態度なのか」と絡んだりして。

自分でアルコール依存のことを調べだしたのが、4年前です。でも、なかなかやめられなかったんですね。「お酒を飲まないようにしよう」と思っても、コンビニに行くと、店内をぐるぐると徘徊する怪しい男になってしまう。

「これを買えば、また暴力を振るってしまうかもしれない。でも飲みたい、苦しい。生きるのが恥ずかしい、死にたい」と思う。その葛藤に負けて帰ってくると、惨めなんです。「ああ、また俺はこうやって愚かにもアルコールを摂取してしまうのか」と。

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