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「認知症予備軍」早期発見する重要な"8つのサイン" 「物忘れ」「料理の味が変わった」に要注意

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 7時50分

ここで言う運動とはウォーキングなどを指しますが、早歩きなどよりハードな運動を週3回以上継続している方は、運動習慣がない方に比べて50%も認知症になりにくく、散歩程度の運動でも週3回以上続けていると、運動習慣がない人に比べて33%認知症になりにくいことがわかっています。MCIの高齢者に対する有酸素運動や身体活動を促進した研究でも、実行機能や言語、処理速度などの機能向上に効果が見られました。

なお、運動中に計算したり、しりとりをしたりするなど脳に負荷をかけると、より効果的だとされているようです。このように、運動課題・認知課題を同時の行い心身の機能を高めるトレーニングを「コグニサイズ」と呼びます。

社会活動への参加もMCIや認知症の予防に有効とされています。退職時の年齢が1歳高くなるごとに認知症リスクは3%下がると言われ、地域コミュニティへの参加も生活機能低下に歯止めをかけます。読書やパズル、楽器の演奏といった手先や頭を使う活動、ボランティアへ参加してもよいでしょう。

食事もポイントです。脳の機能維持に栄養は欠かせません。

認知症の進行を抑制する食べ物は科学的に証明されていませんが、アルツハイマー型認知症者の脳内は酸化物が増加していることから、野菜や果物、魚といった抗酸化、抗炎症作用のある食品や栄養素が有効だと考えられています。また、MCIの高齢者は栄養不良の割合が高く、認知症発症前に体重低下などが報告されています。

重要なのは、バランスのよい食事を適量とることです。

他の病気が原因かもしれないので、まずは医療機関に相談すること。治る病気であれば早期発見・早期治療がものを言います。かかりつけ医や、認知症を早期に発見・治療するための「もの忘れ外来」にかかるのもよいでしょう。

地域包括支援センターに相談してみる

高齢者の健康面や生活全般をケアする「地域包括支援センター」でも認知症に関する相談を受け付けており、適切なサービスにつないでくれます。相談先がわからない場合は、電話などで行政に連絡すれば、同じく必要な保健医療サービスを紹介してくれます。

親にMCIや認知書の疑いがある場合、子どもから診療をすすめるのはセンシティブなことであり、喧嘩の原因にもなりかねませんが、放置してもよいことはありません。ひざを突き合わせて話をする機会を設けてください。親と離れて暮らしている場合も定期的に連絡を取って様子をうかがう、近所に頼れる人が住んでいるなら普段の様子を聞いてみるのもよいと思います。

改善が難しく認知症の発症が将来的に考えられるなら、医療はもちろん介護保険サービスの利用、さらにはグループホーム(認知症対応型生活介護)や特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど、認知症の方が入居できる施設の利用も選択肢に入れましょう。住まいも含め生活全般をどのようにすべきか、お互いの希望に沿うためにも、親子が事前に話し合っておくことも大切です。

(構成:大正谷成晴)

伊藤 たえ:医療法人社団 赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック 東京脳ドック院長

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