"M-1"1点差で4位に「エバース」の大躍進の裏側 「桜の木の下」ネタが話題、実は苦労人の一面も
東洋経済オンライン / 2025年1月30日 13時30分
『M-1グランプリ2024』で初の決勝進出を果たし、一気に知名度を上げた漫才コンビ・エバースの佐々木隆史と町田和樹。惜しくも4位となったが、“3位の真空ジェシカと1点差”という部分も含め、視聴者に強いインパクトを与えた。
前年の2023年、3回戦のYouTube動画がアップされた時点で、筆者の周りではファイナリスト候補としてエバースの名が挙がっていた。
実際には準決勝敗退となったものの、敗者復活戦で注目を浴び、メイプル超合金・カズレーザーやぺこぱ・松陰寺太勇、千原ジュニアなどの先輩芸人をはじめ、業界関係者からも絶賛されることになった。
賞レースで軒並み結果を残す
驚いたのは、ここからだ。翌2024年、『ツギクル芸人グランプリ』決勝3位、『ABCお笑いグランプリ』決勝進出、『NHK新人お笑い大賞』大賞と、彼らは賞レースで軒並み結果を残していった。期待値の高さから来るプレッシャーもあっただろうが、それを感じさせない活躍が目立った。
同業者から「緊張しい」とイジられる2人は、賞レースの本番でネタを噛んでしまったり間違えたりすることもある。しかし、年末のM-1では前半の説明部分でいつも通りの落ち着いた掛け合いを見せ、後半でしっかりと笑いをとった。
昨年は、毎月の新ネタライブに臨み、単独ライブを複数開催したほか、M-1グランプリ2024で準優勝を果たしたバッテリィズ、敗者復活戦を沸かせた金魚番長をはじめ、シンクロニシティやストレッチーズなど、多くの芸人とツーマンライブを実施している。その自信が漫才の強さにつながったのかもしれない。
2016年、正式にコンビを結成。NSC東京校の同期として出会い、各々が組んでいたコンビを解散後、佐々木の元相方に町田を紹介された。2人とも学生時代に野球をやっていたことから、バントの構えからバットを引いてボールを見逃す野球用語“エバース”をコンビ名にしたという。
佐々木は、幼少期に『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)、M-1が始まってからは笑い飯、千鳥、ダイアンといった漫才コンビにハマり、お笑いが好きになった。それほどお笑い番組を見ていなかった町田は、根っからのイジられキャラだったことから芸人向きだと考えてNSCに入学している。
駆け出し時代は、鳴かず飛ばず。ヨシモト∞ホールに出演していた4年間は、バトルライブで勝ち上がるシステム(上から「ファーストクラス」「セカンドクラス」「サードクラス」「トライアルクラス」の4段階)の一番下のクラスから抜け出せなかった。それでも、オズワルド・伊藤俊介と接点を持ち始めてから一筋の光が見え始める。
神保町よしもとに移ったことが転機に
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