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若手「この転職先どう思います?」上司に聞く感性 史上最も「転職しやすい時代」に離職を防ぐ方法

東洋経済オンライン / 2025年1月31日 8時5分

管理職には部下を定着させることも「仕事」として捉えてもらえるように、仕事の定義を改めてもらいます(写真:kouta/PIXTA)

今、多くの企業が人手不足に悩み、離職を防ぐことは喫緊の課題となっています。

一方で、「入社したら定年まで勤め上げる」といった意識で入社してくる人より、「一度や二度は転職するのが当たり前」という感覚で入社してくる人のほうが多い時代。ますます部下の離職を防ぐことが難しくなっています。

この点について、経営心理士、公認会計士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、現場の上司の苦悩と離職防止の対応策についてお伝えします。

若手の部下の感覚に絶句する上司たち

「この転職先どう思います?」

【書籍】「離職の理由と対策が体系化されている」「事例が豊富で明日から使える」と話題の『離職防止の教科書』

上場企業に勤務するT氏は、若手の部下からこの質問をされ、絶句したといいます。

「『それを上司に聞くか!?』って唖然としました。

今、人手が足りないから、辞めると現場に迷惑がかかるってことはわかってるはずなんです。なのに転職活動をしていることを平気で上司に話す。

会社を辞めることに罪悪感を感じてないんですよ。自分だったら転職活動をしていることなんて絶対上司には言えないです」

また、別の企業に勤務するF氏はこう話されました。

「今の若手は入社日に転職サイトに登録するとか当たり前ですよ。で、電車の中で転職サイト見ながら通勤してます。

だから、今より給与や待遇がいい会社を常に数社把握した状態で働いている部下もたくさんいます」

「自分が若い頃はこの会社で勤め上げようと思って入社しましたが、今の時代はもう転職が当たり前という感覚なんでしょうね。

この感覚の変化は会社にとっても上司にとっても、かなりつらいものがあります」

採用に力を入れる前に離職防止対策を

私は経営心理士、公認会計士として人間心理に基づいて業績改善を行う仕事をしています。

その中で人手不足のご相談をよく受けますが、上記のような若手の感覚が離職に拍車をかけると悩まれる方はたくさんおられます。

人手不足の原因は2つ。1つは「人が採れない」こと。もう1つは「人が辞める」ことです。

人手不足解消のために、採用に力を入れようとする会社が多いですが、私はまず離職を防ぐことを重視します。

なぜなら、離職率が高い状態で採用に力を入れるのは、底に穴が空いたバケツに水を注ぐようなものだからです。採用コストは年々上がっており、採用しては離職され、また採用するということを繰り返すと採用コストが膨れ上がり、企業の財務状況に大きなダメージをもたらします。

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