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台湾ルーツもつ人気映画監督が描きたい歌舞伎町 映画監督・萩原健太郎さん単独インタビュー

東洋経済オンライン / 2025年2月1日 9時0分

舞台を実際の歌舞伎町にするのか、それとも架空の街とするかは検討中ですが、その街には多くの人々が関わります。日本人ももちろん登場するほか、表社会だけでなく裏社会に身を置く人々も描かれます。時代の混乱の中で必死にもがきながら、生きる道を切り拓こうとする人々の姿を描くストーリーです。

――映画とドラマのどちらになりますか。

ドラマシリーズとして、日本と台湾の合作で製作します。とはいえ、実際にはほとんど台湾側が主体となる形です。今回の台湾滞在では、グローバルに向けてどのような内容を発信できるかを考えるため、脚本家チームやプロデューサーチーム、そしてもう一人の台湾人監督と話し合いを重ねて、ようやく方向性が見えてきたところです。

現在はまだ大まかな材料集めの段階ですが、台湾華僑の物語というテーマは、日本であまり語られていないと思います。多くの日本人は、自分たちの国を単一民族国家だと考えがちですが、実際はそうでもありません。

戦後の復興も日本人だけの力で成し遂げられたのではなく、台湾華僑をはじめ、さまざまな背景をもつ人々の力があったと思います。そのような事実を、この作品を通じて少しでも多くの日本の方々に知ってもらえたら嬉しいです。

感じた台湾人の「フロンティアスピリット」

――台湾のクリエイターやプロダクションと一緒に作る中で、苦労や発見はありますか。

台湾だからというわけではなく、新しい仕事には常に苦労がつきものです。特に僕が大事だと思うのは、どの段階で苦労するか。新しいやり方を探っている段階が一番大変で、そこで、「これだ!」というものが見つかれば、あとはベストな方法で進めるだけで、それほど大変さは感じなくなります。

今回の台湾滞在中も、打ち合わせの進め方から脚本チームの構築、物語の作り方まで、最適な方法を模索しました。それが落ち着けばスムーズに進んでいきます。この過程で自分にも台湾人の「フロンティアスピリット」みたいな気質があるかもしれないと気づきました。

――台湾と日本のコラボレーションでよく耳にする苦労が、フレキシブルさや融通の度合いが両者で大きく食い違うという点です。

僕は特定のやり方に固執しません。新しい環境や方法に一度溶け込んで、その中で提案していくタイプです。「絶対こうじゃなきゃいけない」と思いませんし、お互いをリスペクトしながら、お客さんに届けられる良いものを作ることが一番大切だと考えています。

僕のそういうところは、日本の現場でも評価してもらえていると思います。「こうじゃなきゃいけない」と言いませんし、怒ることもしません。それが今までは自分だけの個性と思っていましたが、実は台湾の影響があるのかもしれないことに、台湾に来て気づきました。

栖来 ひかり:文筆家

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