冤罪の原点「免田事件」が私たちに問うもの 本人が死去しても晴れない「冤」を雪ぐために
東洋経済オンライン / 2025年2月1日 9時0分
私たちの手元には、免田さんが獄中で読んだ1100冊の本がある。どんな時期にどんな本を読んだのか。「死刑囚の読書日記」とでも呼ぶべき例のない解読作業はもう少し続きそうだ。加えて新しい資料も出てきた。
私たちは司法の役割を否定するものではない。しかし、間違うことがある。それはいくつもの事例が教えていることだ。
再審制度をめぐってようやく国会議員の間で改正に向けた具体的な動きが出てきた。戦後80年を迎えるが、刑事訴訟法の再審の条項だけがほぼ戦前のまま残されている。確定死刑囚が5人も無罪になるという事態を放置していいはずがない。しかもそれ以外にも少なくない冤罪被害者がいる。
私たちは昨年、一昨年と熊本大学で免田事件をめぐる集会を開いたのだが、この会場に事件の現地、熊本県人吉・球磨地域から来た人が挙手をして「今でも免田が犯人と思っています」と語った。しかもこの声は2年続けて上がった。冤罪は死んでも晴れない。冤を雪(すす)ぐことの困難さがここにはあった。
一方で、希望の種はある、とも思うのだ。免田事件でも、死刑判決の間違いに気づいた裁判官は前記したようにいた。袴田事件でも一審段階で無罪の心証をとった裁判官はいたのである。その「目」をどうやって多数の「目」にするのか。それは私たちが問われていることである。
高峰 武:元熊本日日新聞記者・熊本学園大学特命教授
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