フランス映画の巨匠が撮る「映画への深い愛」 デプレシャン監督に取材、仕事観などを聞いた
東洋経済オンライン / 2025年2月1日 15時0分
それは非常に大変な作業で、時間も長くかかりましたし、それからコスト的にも非常に高い予算が必要でした。
ここでひとつの例を挙げましょう。この映画の中にはスティーブン・スピルバーグ監督の『マイノリティ・リポート』のある場面が出てきます。プロデューサーがその使用に関して、使用料があまり高くならないようにするために交渉しました。結果、その使用の条件として、私が映画に使うために、スピルバーグ監督に直接手紙を書かなければいけないということになりました。
するとその後、プロデューサーが編集室にやってきて『今度はトム・クルーズの許諾が必要だ』と言ってきた。ですから今度はトム・クルーズに手紙を書いて、そして彼から直々に認可を受けることになりました。
それからしばらくして、プロデューサーがふたたび真っ青な顔をして私の編集室に入ってきて。今度はトム・クルーズのスタントマンの許可も必要だと言ってきた(笑)。これはあくまでひとつの例として挙げたわけですが、そのひとつひとつの許諾というのは非常に時間のかかる作業になりました。
――これは実作業をしたプロデューサーさんをいたわってあげないと駄目ですね。
それはもう避けられない道ですよね(笑)。
日本にも多くのファンがいる
――日本では『そして僕は恋をする』以降、デプレシャン監督の作品の人気は高く、多くのデプレシャン作品が日本公開されています。そうした日本のファンの存在はどう感じていますか?
私が初めて来日したのがまさにその『そして僕は恋をする』のときで、自分にとっても非常に大切な映画なんです。映画の場合は演劇などと違い、お客さまと直接交流するということはなかなか難しいのですが、日本では観客の皆さんと直接触れあい、会話をすることができた。
それから多くの日本の監督たちと会うことができて、話をすることができた。そしてその体験はその後の映画づくりにも非常に大きな影響を与えてくれました。あのときの出来事は今でも忘れられません。
――とても素敵な人生ですね。
本当にそう思います。わたしは毎朝目が覚めると、なんて自分はチャンスに恵まれているんだろうと思うんです。
壬生 智裕:映画ライター
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