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下痢をむやみに薬で止めようとする人の盲点 下痢の原因は何なのかを考えて対策をする

東洋経済オンライン / 2025年2月2日 8時20分

過敏性腸症候群というのは、脳からの指令で腸が変調をきたす症状のことを指しています。この症状の特徴は、内視鏡や血液検査でがんや炎症などの異常がないのにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛などの消化管機能の異常が起こる、という病気です。日本人の1割ぐらいが、過敏性腸症候群だと言われています。

小腸や大腸などの消化管の動きは自律神経が司っていますが、ストレスによって自律神経が乱れ、腸管の蠕動運動が活発になり、便の通過速度が速くなり、水分を腸で吸収できずに、下痢として出てしまうということになります。お腹を冷やしてしまうと下痢を起こしてしまう場合があります。

ウイルスや細菌が原因の下痢には使わない

この場合は、自律神経のバランスが崩れたり、腸管の筋肉が緊張したりしているパターンになりますので、症状が辛いときは、下痢止め薬を使っても問題はありません。ただし、下痢止め薬を使っても48時間以内に症状が改善しない場合は、原因を特定し、最適な医療を受けるために病院へ受診してください。

下痢止め薬は、ウイルスや細菌が原因の下痢には使わないほうがよいです。ストレスや冷えが原因の下痢には使えますが、2日程度で落ち着かないならば、使用を中止して病院に通うことがお勧めです。なお、下痢のときは、便中にたくさん水分が出てしまうので、脱水症状にはご注意ください。

もう一つの下痢の原因は、食あたり(食中毒)、感染性胃腸炎です。 食あたりは、季節や食品によって症状があらわれるまでの時間が異なります。また、食べた人の免疫力も関わりますので、同じものを食べても全員が下痢をするわけではありません。

食あたりのときは下痢止め薬を使わないのが原則

原因となるウイルスや細菌の中には、熱に弱いものもある一方で、例えばカレーでの食あたりの原因になるものは、耐熱性で加熱しても食あたりを防ぐことができないので注意してください。

感染性胃腸炎は、食べ物ルート以外でウイルスや細菌由来の胃腸炎になったものを指し、嘔吐下痢症と言われるものが多いですから、要するにこちらも原因は食あたりと一緒です。

ウイルスや細菌を身体の外へ出そうとする防御反応が下痢になります。下痢止め薬を使うとウイルスや細菌の体外への排出を止め、体内に残ってしまいますから、症状を悪化させたり、回復を遅らせてしまうことになりかねません。よって食あたりの下痢では、下痢止め薬を使わないのが原則です。

なお、下痢をしているとどんどん水分を便に出して、脱水になる可能性があるため、スポーツドリンクのような吸収されやすい水分の摂取は心がけましょう。またこの下痢の場合は、整腸剤はぜひ飲むようにしましょう。ほとんど副作用がなく下痢を1日程度短縮するとされています。

鈴木 素邦:有限会社クラヤ代表取締役 城西大学薬学部非常勤講師

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