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貧困で「わずか13歳の少年」が売買される国の事情 日本の野球ファンは知らない、ドミニカ野球の現実

東洋経済オンライン / 2025年2月2日 8時50分

ドミニカ共和国では、少年たちが”売買”される(写真:myconcept/PIXTA)

ナックルボールを武器に、MLBを目指して野球留学した先はドミニカ共和国。貧困国のドミニカでは、少年たちは"商品"そのもの。まだ線の細い彼らの身体に、家族の人生がかかっていたーー

ライター・ナックルボーラーの赤川琉偉さんのドミニカ野球留学コラム・第二弾です。

前回の記事はこちら:貧困国ドミニカで「野球選手」夢見る少年の"悲哀" インスタに「お金の絵文字」が書かれているワケ

「これは、一種の人身売買だな……」

【衝撃】ドミニカの少年たちは、こんな環境で練習している…

開発途上国において、人々はどのようにして生計を立てているのだろう。そんな疑問を多くの視聴者は持っているに違いない。基本的には、農業や漁業などの第一次産業に従事することで、唯一の資本である身体を用いて経済を維持している。

しかし、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の東側3分の2を占める国であるドミニカ共和国は、途上国でありながら、全く別の形で唯一の資本である身体を用いて経済を維持している。

ドミニカの野球アカデミーの甘くない現実

ドミニカでは、野球少年たちがメジャーリーグという大舞台を目指して切磋琢磨するアカデミーが存在している。そのアカデミーはドミニカの一般家庭において、潤沢な外貨を稼ぐ希望の光となっていた。

ドミニカ共和国では、少年たちが、国内で生活していたら決して手に入れることのできない大金に変わる可能性があるのだ。

だからこそ、少年たちが”売買”されることは日常なのだ。

“値付け”される少年たち

ここで、ドミニカの野球界について、ざっくりと説明したい。

高校や大学、社会人などプロを目指す場所の選択肢が色々ある日本と違って、ドミニカでは「アカデミー」が野球教育の中心だ。その名の通り、野球選手を育成するための場所だ。

①メジャーの下部組織としてのアカデミー

アカデミーの種類は大きく分けて2つある。1つ目は「メジャーの下部組織」だ。2つ目は「メジャーの下部組織との契約を目指すアカデミー」だ。

一般に日本の野球ファンが想像するアカデミーは、1つ目のメジャーリーグの下部組織としてのアカデミーだろう。MLBの各球団が投資をして、ドミニカ国内に作った野球学校だ。

やや語弊があるかもしれないが、日本人にわかりやすく表現すると「外資系のエリート養成校」という感じだろうか。

②ワンランク下の、①のアカデミーへの移籍を目指すアカデミー

2つ目のアカデミーは、①のアカデミーよりワンランク下のアカデミーだ。選手たちは①のアカデミーへの移籍を目指して、日々しのぎを削っている。

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