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障害者への向き合い方を学ぶ「検定」今注目の理由 浦和レッズスタッフも受検「必要性を感じた」

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 16時0分

垣内さんは「最低限のマナーを知っているだけでかっこいいよね、ぐらいの感じです」と言う。

ユニバーサルマナー検定では、多様な人を理解するとともに、どんなアクションを起こせばいいかを3段階のステップ(3級、2級、1級)で学ぶ。

3級では「人と人との違いを理解し、基本的な向き合い方や声がけ方法」、2級では実践的なサポート方法の実技と「特性に応じたより詳しい知識」、1級では「当事者のリアルな体験を通して、それぞれの価値観や世界観を知る」の講義を受ける。

障害のある講師が体験を語る

2024年12月に筆者は3級を受講した。講義の前半はユニバーサルマナーの基本的な知識を座学で、後半は場面別の対応法について、テキストを見ながらグループワークで話し合った。

例えば、「車いすの人が建物の構造上などで、階段で移動しなければならないときは、どのように車いすを支えればいいか」「視覚障害のある人が移動するときは、どのように案内をすればいいか」「聴覚障害のある人と筆談するときは、どんなことに気を付けたらいいか」などについて、その理由も含めて考えた。

座学だけでなく、受講者が話し合うことによって、お互いの経験や視点を知ることができ、楽しく学べた。

また、3級では垣内さんをはじめとする障害のある講師が自身の体験談を交えながら話す。

筆者が受講したときに講師を務めた薄葉ゆきえさんは、幼少期に肺炎にかかった後遺症で難聴となり、手術で人工内耳を埋め込んでいる。講義では集音マイクや文字情報に変換するアプリを活用し、受講者とスムーズにコミュニケーションを取る姿が印象的だった。

3級は座学とグループワーク終了後に、認定証を受け取る。

2級は受講後に選択問題形式の試験があり、100点満点中70点を取れば合格する。1級は受講後、レポート試験を受けることで合否が決まる。講義で聞いたことを確認する意味で、試験はとてもよい機会になる。

2013年から始まった同検定は、10年間で受講者が約23万人(2024年12月時点) になった。

スタート初回の受講者は5人だったが、垣内さんを含めた社員4人が大阪から深夜バスで上京し、企業に研修を普及させるための飛び込み営業を続けた。

7年経った頃、ようやく認知度が高まり、大手企業からも継続的に研修依頼がくるようになった。現在は主に金融機関や、結婚式場などの冠婚葬祭業者、ホテル・旅館などの宿泊施設 、大学やエンターテインメント業界から声がかかる。

きっかけは盲導犬を連れた人の観戦

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