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妻子を残して単身東京に「仕事留学」10年目の部屋 そろそろ大阪に戻る道も視野に入れつつ惑う40代

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 7時50分

大阪も都会ですが、東京は日本で一番情報も人脈も集まる場所。だから30代のうちに東京に移って勝負しよう、と。僕は海外留学経験もあるので、そのときに似たマインドです。単身、異文化の土地に入り込んで、そこで得られるものを得て帰る。今の立場は嘱託社員ですから、東京に根を張っているわけではない。その点も、海外留学に似ています」

仕事に専念し、キャリアを磨く部屋

会社に命令された「赴任」ではない。自らの意志で東京で職を見つけ、仕事に打ち込む、日常のライフスタイルについて聞いた。

「家族に負担をかけてまで東京に来ているので、仕事の成果を上げることが生活の第一の目的です。マーケティング、ビジネスデベロップメントといわれるこの職種に24時間フルコミットする。仕事だけでなく、オフタイムも仕事つながりの人と会食に行ったりゴルフに行ったりと、コミュニケーションを重ねながら人脈をつくっています。

社交以外のときは規則正しく、朝5時半に起きて6時頃から仕事、普段はだいたい18時過ぎまでには終業。最近は、ほぼ在宅ワークなので、自炊もしています。僕は部屋にベッドを置きたくないんですよ。生活感が出るのが嫌で、起床したら布団をしまってオンとオフを切り替えます」

大野さんの現在の肩書はマーケティングセクションの課長。部屋には社内で表彰されたトロフィーが飾ってあるなど、仕事熱心な様子がうかがえた。

「現在の会社は東京で2社目です。東京でもいろいろなことがあり、苦境に立たされたこともありましたが、人脈に助けてもらいました。僕は人生のなかで何度も、誰かの手によって引き上げられてきたので、人のつながりの価値を信じているところがあります」

外では元営業マンらしく社交的に人脈を広げる。一方で部屋に居るときは規則正しく自分を律しながら、ストイックに業務に打ち込む。そんな大野さんの過ごし方は整然と整えられたインテリアにも表れている。

「こけし」に傾倒するアナログな情熱

大野さんのインテリアのなかで、ひとつ異彩を放っているものがある。それは大切に飾られた「こけし」たちだ。

「こけしを集めるのにハマっています。完全な手作りで、ルーツによってバリエーションがあるところに惹かれるんです。例えばこの目の周りが赤いこけしは猪苗代町の近くで作られているものです。通称『たこ坊主』っていうのですが、変わっているんですよ」

こけしのコレクションが何十体も飾られている様(さま)は壮観だ。こけしは郷土玩具として日本人になじみすぎて、その特徴を見過ごしてしまいがちだが、ひとつひとつ眺めると個性的で味わい深い。

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