東京女子医大、"女帝"が残した「負の遺産」の実態 「女カルロス・ゴーン」が引き起こした機能不全
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 8時0分
岩本元理事長には人的資源の重要性がまったく理解できていなかった。理事長に就任する前の2018年度と2024年度を比較すると、新宿にある付属病院(本院)だけで、医師と看護師がそれぞれ約200人も減少。これを以前のレベルに回復するのは容易ではない。
今回の不正発覚によって、国から受け取る私学助成金は「保留」になっている。2023年度は20億円だったが、2024年度はゼロ、翌年以降も大幅な減額になるのは避けられない。不祥事が多発した日本大学は3年連続でゼロになった。
昨年、岩本理事長が解任され、理事と監事、評議員が一新された。理事長には元大蔵官僚の清水治氏、学長には女子医大に36年間在籍した元教授の山中寿氏が就任した。
カギを握るICUの再建
女子医大の再生で、最大のカギを握るのはICUの再建だ。取材に対して、山中学長は退職したICU医師らに「岩本元理事長らによる非礼を謝罪」したうえで、三顧の礼を尽くし、復職を依頼する考えを明かした。
岩本元理事長の不正が明るみに出た契機は、2人の職員の内部告発だった。2022年に女子医大は「情報漏洩」を理由に2人を懲戒解雇処分にした。さらに身分回復を求めて東京地裁に提訴した2人に対して損害賠償を求めて反訴し、現在も法廷での争いを継続中だ。
この対応を見ると、岩本元理事長による「負の遺産」が今も女子医大に残っていると言わざるをえない。こうしたウミを出さなければ、女子医大に対する不信感は、いつまでもくすぶり続けるだろう。
岩澤 倫彦:ジャーナリスト
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
《東京女子医大の女帝再逮捕》内部文書で明らかになった“デタラメやりたい放題”の仕組み「女子医大には元理事長の手足となって動いた人間たちがたくさんいる」
文春オンライン / 2025年2月3日 18時5分
-
「女帝逮捕」東京女子医大の再生は可能なのか 新理事長と学長が単独インタビューに応じる
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 8時0分
-
「東京女子医大のプーチン」資金還流の手口とカネへの異様な執着心…元理事長宅に4億円の現金と金塊を保管
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月15日 11時3分
-
東京女子医大元理事長・岩本絹子容疑者の“守銭奴”ぶり…自宅に現金1.5億円、金塊2キロ、ブランド品の山
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月14日 11時3分
-
「医者というより政治家」 逮捕の東京女子医大元理事長
共同通信 / 2025年1月13日 18時43分
ランキング
-
1スズキ、新型『ジムニー ノマド』注文停止を発表し謝罪「販売計画台数を大きく超える約5万台のご注文」
ORICON NEWS / 2025年2月3日 15時49分
-
2東京女子医大、"女帝"が残した「負の遺産」の実態 「女カルロス・ゴーン」が引き起こした機能不全
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 8時0分
-
3スシロー「鶴瓶氏を削除」が完全に見誤ったワケ 企業は「CM取り下げ」をどこで判断すべき?
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 17時35分
-
4スタバVS.コメダ 日米コーヒーチェーン徹底比較で見えてきた立ち位置
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月3日 8時0分
-
5「Suica」が今のままでは生き残れない理由 10年計画で汎用的なスマホ決済サービスを標榜
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください