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知って安心、老親のことで困った時の駆け込み寺 無料での自宅訪問や電話相談もできる

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 16時0分

工:ちなみに、この「介護休業」は、自分で介護するためだけの休みではないので注意してください。

K:えっ! それじゃあ、なんのための休みなんですか?

工:私は介護のプロと相談したり、役所の手続きをしたり、家族と話し合いをしたりしながら、介護と仕事を両立できる態勢を整えるための休みとして「介護休業」を活用することが最重要ポイントだと考えています。

K:自分で介護するにしては、休みが少ないような気がしたんです。

工:Kさんのような人が、ほとんどだと思いますよ。介護の休みがあることを知らない人もいるし、知っていたとしても、その休みの活用ポイントまで理解している人は、かなり少ないはずです。それで、老いた親が急に倒れるとパニックになって、なにも調べずに会社を辞めてしまうんです。かつてのわたしのように……。

K:知らないと、わたしもそうなるところでした……。くどひろさんのおかげで、親にもしものことがあっても、勢いで会社を辞めずにすみそうです。

工:就業規則を読んで介護の休みについて調べてみたら、もう1つやってほしいことがあります。

K:なんでしょうか?

工:社内に介護の相談窓口があるかどうかを調べてください。社内にはなくて、外部の専門窓口と提携したり、福利厚生でカバーしたりしているケースもあります。

K:わかりました。今すぐパソコンで調べられるのでお待ちください。……あれ? どちらも、うちの会社にはなさそうですね。

工:なるほど。Kさんの先輩が親のことをまわりに言っていない理由の1つに、ひょっとしたら近くに窓口がなくて、相談できなかった可能性がありますね。

K:うちの会社みたいに、近くに相談窓口がない場合は、どうしたらいいですか?

工:その場合は、「地域包括支援センター」があります。

K:はじめて聞く名前です。

老いた親のことで困ったときの駆け込み寺

工:地域包括支援センターは、よく「包括」と省略されるので、ここでもそう呼ぶことにしますね。包括は、地域で暮らす高齢者を支援する公的な無料相談窓口で、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその家族などが利用できて、専門職が配置されています。

K:無料はありがたいですね。その包括っていうのは、どこにあるんですか?

工:小中学校の学区にだいたい1つは設置されているので、Kさんのご両親が住む地域にも必ずあるはずです。包括では、高齢の親に関する不安や悩みについて、なんでも相談できます。本格的な介護がはじまる前のことでも大丈夫です。たとえば「親が家に閉じこもってテレビばかり観みている」とか「親の体力が低下してきたので、健康教室を教えてほしい」といったことでも構いません。

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