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斜陽メディアじゃない?「ラジオ」20代に人気の訳 オールナイトニッポン統括Pが語る復活の理由

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 12時30分

ラジオには「深く狭く届ける力」があります(写真:TarikVision/PIXTA)

今、ラジオ番組は東京ドームイベントを行えば、配信を含めて16万人が集まるほど、20代を中心に圧倒的な人気を誇っています。動画配信やSNS全盛の時代に、なぜラジオがこれほどまでに人々を惹きつけるのか。そのヒントは、ラジオならではの「深く狭く届ける力」にあります。

『今、ラジオ全盛期。 静かな熱狂を生むコンテンツ戦略』では、オールナイトニッポンがV字回復を果した軌跡について、番組の統括プロデューサー・冨山雄一氏がひもときます。今回は同書より、冨山氏がラジオの持つ「深く狭く届ける力」について気づいた原体験をご紹介します。

生放送ならではの“連帯感”が強み

ラジオ番組は、テレビやネット動画に比べて、圧倒的に生放送の比率が高く、それがラジオの“強み”になっています。

事前に収録してから放送するのと比べて、深夜の生放送は人件費や深夜タクシー代などでコストが2〜3倍かかります。それでもやっぱりオールナイトニッポンは生放送にこだわりたいという気持ちが強くあります。

やはりパーソナリティとリスナーが同じ時間に集う連帯感、このリアルタイム性と番組を通して生まれる1対1の双方向コミュニケーションだからこそ生まれるものを、僕は作っていきたいのだと思います。

この思いには、ちょっとした原体験があります。僕がNHKを辞めて、ニッポン放送に転職した理由にもつながる出来事です。

中高生のころからラジオが好きだった僕ですが、マスメディアを志望したのは高校生の頃です。

そうしたなかで気持ちが固まったのは、大学生の頃、小学生の子どもたちと一緒にキャンプに行ったり、イベントを行うボランティア団体を運営していた経験とつながっています。

元気がなく、ふさぎ込んでいた子どもが、僕たちと校庭遊びやキャンプの時間を過ごすなかで、明るさを取り戻して学校生活も楽しめるようになる。そんな変化を目の当たりにするなかで、「こんなふうに、もっと多くの子どもたちに、テレビやラジオを通じて夢を与えられる仕事がしたい」と考えたのです。

NHKに入局してから2年ほど、ラジオ番組の制作にディレクターとして携わった後、僕は人事異動で新潟放送局に移りました。テレビディレクターとして、テレビ番組の制作経験を積むためです(新人を地方局で修業させるのは、NHKや新聞社の一般的な育成法です)。

新潟に移って間もないころ、子どもが自殺するという痛ましい事件が全国的に起きており、新潟県内でも子どもによる自殺が起こってしまいました。

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