「低パフォーマンス社員」解雇が日本で難しい現実 米IT企業がリストラも日米の人事評価に違い
東洋経済オンライン / 2025年2月4日 7時0分
アメリカのIT業界で大きな変化が起きている。メタとマイクロソフトという2つの"巨人"が、「低パフォーマンス社員」のリストラを進めているというのだ。
【画像】東京商工リサーチの調べて、2024年上半期(1-6月)に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は36社。業種別で最も多かったのは?
報道によるとメタは全従業員の約5%、マイクロソフトは約1%を「成績不振」を理由に削減する方針を打ち出したという。日本企業であれば考えられないようなリストラ策だ。
なぜこのような極端な施策を打ち出したのか? もしも日本企業がこのような取り組みを打ち出したらどうなるのか? 今回は、欧米(とくにアメリカ)と日本の人事評価の考え方の違いについて解説する。
欧米「低パフォーマンス社員」の考え方が浸透
「低パフォーマンス社員」などという表現、日本では口に出すのも抵抗がある言葉だ。
しかし欧米では大きな抵抗感がないようだ。それどころか今回のように公然と「低パフォーマンス社員」を切り捨てようとする。人件費の抑制をはかり、AIに精通した人材を新たに採用したい、といった事情も考えられるが、以下に述べる2つの大きな背景があることも頭に入れておきたい。
それは、
(1)成果主義の文化が根付いている
(2)評価システムが透明である
の2つだ。
まず成果主義の文化についてだが、欧米では業績や貢献度が何よりも重視される。とくにアメリカでは業績が悪い場合、解雇も珍しくない。それは企業が競争力を維持するために必要な措置として受け止められ、文化として定着しているのだ。
一方、評価システムの透明性については、欧米ではシステマチックに定期評価が行われる。そして、その評価に基づいて昇進や報酬が決まる。「低パフォーマンス社員」は早期に特定され、改善が見られなければ解雇される。このプロセスも日本に比べて法的なハードルが低く、アメリカでは「雇用は自由」という考え方が広く受け入れられている。
なにより欧米でも「働き方改革」が進んでいる。そのせいで、この傾向はさらに加速している。限られた労働時間の中で生産性を上げるために、企業は「低パフォーマンス社員」への対応を厳しくせざるを得なくなっているのだろう。
日本企業で通用する考え方だろうか?
一方、日本企業では「低パフォーマンス社員」という考え方はなかなか通用しない(と私は考えている)。日本の人事評価には、次の3つの基準があるからだ。
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