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フジテレビ問題の解決は完全な世代交代しかない 「10年間の業績不振」に責任を取ってこなかった

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 15時30分

10時間以上に及んだフジテレビ「2回目」の会見(撮影:梅谷秀司)

1月27日に「やり直し」会見を行い、港浩一社長と嘉納修治会長が責任を取って辞任したフジテレビ。一方、週刊文春が記事の訂正を発表し、中居正広氏のトラブルがあった会食への幹部社員の直接的な関与はなかったとわかった。人権侵害の疑いがまったく消えたわけではないが、当初より問題が和らいだようにも思える。

【グラフを見る】他局に比べ落ち込みが目立つフジテレビの売上高推移

大手広告主は戻ってくるのか

CMを差し替えた大手広告主が戻ってくることはないのだろうか。企業の広告戦略に詳しい「ぐろ~かるCM研究所」所長の鷹野義昭氏に聞いてみると、私見だと断ったうえで厳しい見解を述べた。

「広告主が嫌悪しているのは、人権侵害はもちろんですが、フジテレビの一連の対応だと思っています。中居氏を番組で使い続けたことや、1回目の会見対応も含めてです。それ以上に、世論がフジテレビを許すかどうかでしょう」

では収束に向かうには、どんな可能性があるのか。これもあくまで推察だとしつつ、鷹野氏は地方局への影響に言及した。

「フジテレビへのCM出稿差し控えに連動して“何も悪くない”系列地方局へのネットタイムの広告分配が激減し、元々の疲弊状態に拍車をかけています。地方局が地域経済を担う力は絶大です。目にみえない”政治的な力”が経済界に働く可能性も高く、CM出稿の正常化に向けての大きなカギとなるのではと考えています」

系列ローカル局の疲弊に対し、政治などの大きな力が加わることが解決への道だという。地域経済に深刻な影響が及べば、あり得るシナリオかもしれない。

さらに鷹野氏は、大手企業の横並び意識を踏まえると「広告主は誰かの一声や動きを待っている気がします。大義名分のあるきっかけが必要です」とも述べた。

「大義名分のあるきっかけ」の言葉は象徴的だ。もちろん第三者委員会でどんな調査結果が出るかが重要だが、それを受けて今後の対策を出せたとしても、広告主が「それならフジテレビをもう一度信頼しよう」と思えるきっかけを誰かが作る必要があるのではないか。

きっかけを作れるのは当然、フジテレビの最高権力者と言える人物のはずだ。このところワイドショーや週刊誌でも急浮上している、取締役相談役の日枝久氏だろう。

取締役が付く相談役というのも不思議な役職だが、代表権はないし相談役が大きな権力を握るのは奇妙に感じる。だが放送業界の人なら誰でも、フジテレビの最高権力者はいまだに日枝氏だと答えるはずだ。

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