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フジテレビ問題の解決は完全な世代交代しかない 「10年間の業績不振」に責任を取ってこなかった

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 15時30分

ただ、経営の陣頭指揮を執っているわけではなく、その権力はもっぱら人事に発揮されているらしい。あるフジテレビ関係者は日枝氏をこう評した。

「フジテレビとフジ・メディア・ホールディングス(HD)の取締役、グループの主要企業社長、関係の深い系列局の社長はすべて日枝さんの独断か、日枝さんのお許しをもらった人です。彼は人事しか考えていない」

社長が目まぐるしく交代している

前回の記事では、10年間でフジテレビの売上高は急落し、トップの座から転落したと述べた。

その間、フジテレビの社長は目まぐるしく交代している。亀山千広氏(2013年〜2017年)、宮内正喜氏(2017年〜2019年)、遠藤龍之介氏(2019年〜2021年)、金光修氏(2021年〜2022年)、港浩一氏(2022年〜2025年)だ。亀山氏を除き、上場企業グループの中核会社の社長としては短すぎではないだろうか。

「金光さんは100人リストラで日枝さんのお怒りを買い、わずか1年でフジ・メディアHD社長に塩漬けされました」(同)

フジテレビは2022年3月に退職金を大幅に積み増す早期退職制度を導入。有名プロデューサーも応募したと話題になったが、自分のお気に入りまで辞めてしまい日枝氏は怒ったらしい。業績不振の中、やるべきことをやった金光氏は1年で港氏に交代している。

港氏は「楽しくなければテレビじゃない」の復活を使命に負い、実際に2023年3月の改編発表会で「フジテレビルネサンス」をスローガンに掲げた。懐古的なメッセージにシラけたことを覚えている。

せわしなく社長を交代させた揚げ句、まっとうな経営に取り組もうとした金光氏は1年で降ろし、港氏に時計を巻き戻させようとした。今回の不祥事は、こうした行き当たりばったりの社長人事の末の必然ではないか。業績不振から立ち直れないことも含めて、日枝氏の責任が問われる。

言っておくと港氏には大きな功績がある。「オールナイトフジ」で深夜を開拓し、とんねるずを起用。「夕やけニャンニャン」は等身大のアイドルを生み出し、「とんねるずのみなさんのおかげです」は番組から数々のヒット企画を生み出した。

港氏だけではない。現経営陣はフジテレビ黄金時代を支えた世代だ。創業一族の鹿内春雄氏のリーダーシップで大改革が行われ、地味な存在だったフジテレビを時代の寵児に押し上げた。当時20代の若者だった私には、「自由な解放区」に思えた。特に80年代後半から90年代前半の深夜枠"JOCX-TV2"で放送された番組は、テレビの最高傑作と言える番組群だった。

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