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フジテレビ問題の解決は完全な世代交代しかない 「10年間の業績不振」に責任を取ってこなかった

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 15時30分

「やっぱり猫が好き」「マーケティング天国」「IQエンジン」「カノッサの屈辱」「TVブックメーカー」などなど、テレビにはこんなこともできるのかと驚いた。「奇妙な出来事」はのちに「世にも奇妙な物語」の名でヒットシリーズになった。「夢で逢えたら」はウッチャンナンチャンとダウンタウンが大人気になるきっかけとなった。”JOCX-TV2”での実験が、90年代以降のヒット番組の種子になったのだ。

どっしり構えて支えたのが日枝氏だった

鹿内春雄氏に関連会社から呼び戻された若い制作者たちが「笑っていいとも!」「オレたちひょうきん族」などで作った土台に、もう一回り若い世代が深夜にのびのび自由に番組を作ったのだ。それをどっしり構えて支えたのが日枝氏だった。

だからいまの経営陣と日枝氏には素晴らしい功績がある。その後のテレビ全体の方向を創造したことは、業界全体が讃えていいと思う。

だからこそ、その栄光の上に居座り続けたのだろう。いまのテレビを作ったのは自分たちだと驕りたかぶり、その場を次世代に譲らないからこうなったのではないか。日本の企業の歴史の中で、もっともわかりやすい大成功と大失敗の例となってしまった。いまのフジテレビ経営陣は、平家やローマ帝国の末期とまったく同じ状態だ。

中でも日枝氏は1983年にフジテレビの取締役に就任し、以来41年以上取締役のままだ。1983年に民放に入社した人はすでに60歳を過ぎ再雇用期間も終わるころだ。1人の社員が入社して定年退社するまで取締役を続けているのは、いくらなんでも長すぎだろう。

思い切った世代交代を

もし経営陣が総退任したら、思い切った世代交代を図るべきだろう。この状況を一新させ広告主に鮮烈な印象をもたらすには、社員たちの力を合わせて新しいテレビ局を作るくらいの意気込みを見せるのが一番いいと私は思う。幸い、フジテレビの中堅社員は優秀な人が多い。その手腕には期待できる。

経営をやったことのない若い社員たちがいきなり経営をできるのかと不安を言う人もいるだろうが、今までの経営陣だって経営できてなかったのだから同じことだ。

それに、日枝氏が取締役になった時は40代、社長就任は50歳だった。40年前と同じように、若い世代がフジテレビを解放区にすれば、またキー局のトップの座に返り咲く可能性もある。中途半端な変え方では、何も変わらない。

境 治:メディアコンサルタント

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