1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

創業90年カヤバがキャンピングカーに挑む意味 デュカトをベースにした「ビラトール」を発表

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 7時50分

東京オートサロン2025でカヤバが発表したキャンピングカー「ビラトール」の室内(筆者撮影)

成長を続けるキャンピングカー業界では、近年、異業種からの参入も目立つが、自動車やオートバイのサスペンションなどの製造を手がける部品メーカー「カヤバ(KYB)」も、そんな企業のひとつだ。なんとイタリアのフィアットが製造する商用バン「デュカト(DUCATO)」をベースにした独自のキャンピングカーを開発。「ビラトール(VILLATOR)」というモデル名で、世界的カスタマイズカーの展示会「東京オートサロン2025(2025年1月10~12日・幕張メッセ)」に発表したのだ。

【写真を見る】東京オートサロン2025でカヤバが発表したキャンピングカー「ビラトール」と、そのほかの出展内容を見る(37枚)

2025年3月で創立90周年を迎えるという同社が、長年培った油圧技術を注入したという新型キャンパーとは、一体どんな特徴や魅力があるのか。会場で実際に現車をチェックしてみた。

【写真】東京オートサロン2025でカヤバが発表したキャンピングカー「ビラトール」と、そのほかの出展内容を見る(37枚)

カヤバの歴史とビラトールの概要について

カヤバは、前述のとおり、2025年3月で創立90周年を迎えるという老舗企業だ。自動車や2輪車向けの油圧部品はもとより、鉄道用のブレーキやダンパー、航空機用のアクチュエーター、コンクリートミキサー車などの特装車両など、幅広い製品を展開する油圧機器の総合メーカーとして知られている。

そんなカヤバが今回展示したのがビラトールだ。開発コンセプトは「Portable villa」。これは「旅先に持ち運べる別荘(villa)」といった意味を持つ造語で、大自然の中はもちろん、途中の移動でも快適で高級な空間を味わえるモデルとして開発したという。

ベース車両は、前述のとおり、フィアットのデュカト。近年、キャンピングカーのベース車として高い人気を誇る商用バンで、ビラトールはその室内を架装したバンコン(バンコンバージョン)と呼ばれるタイプだ。ボディサイズは全長5995mm×全幅2050mm×全高2720mmで、乗車定員は4名、就寝定員3名。8ナンバーのキャンピングカー登録車となる。

特徴1:独自の油圧技術

デュカトをベースとしたキャンピングカーは、近年、国産メーカーも数多く手がけているが、このモデルは、カヤバ独自の油圧技術を活かした装備を持つことが大きな特徴といえる。

まず、サスペンションには専用開発したショックアブソーバを装備する。カヤバの担当者によれば、デュカトは、ノーマル仕様でも「もともとボディ剛性などが高いため、ステアリングを切ったときの回頭性が良く、軽快なフットワークを持つ」という。だが、キャンピングカーでは、家具や家電製品などを架装するため、車両重量は重くなる。そのぶん、本来の運動性能が発揮できないケースも出てくる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください