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「横浜駅に頼らない路線」神奈川県ご当地鉄道事情 代表格は「ロマンスカー」でおなじみの大手私鉄

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 6時30分

神奈川県の真ん中の台地の上がベッドタウンとして発展したのは、小田急江ノ島線のおかげといっていい。そして、JR東海道本線と接続する藤沢駅ではスイッチバックで方向転換。終点は江の島がすぐ目の前の片瀬江ノ島駅だ。

片瀬江ノ島駅から橋を渡ってすばな通りを内陸に5分ばかり歩くと見えてくるのが江ノ電の江ノ島駅。鎌倉から藤沢まで、民家の軒先をすり抜けるようにして走る名物路線だ。

沿線には稲村ヶ崎に七里ヶ浜と相模湾を見る絶景スポットが目白押し。鎌倉も江の島も、言うまでもなく関東地方を代表する観光地だ。江ノ電江ノ島駅前の踏切を渡った先には、湘南モノレールの湘南江の島駅がある。

まるでアトラクション

懸垂式モノレールのハシリといっていい路線で、およそ一般的な鉄道では考えがたいほどの急カーブや急勾配を繰り返しながら大船と江の島を結んでいる。

安全第一の公共交通ながら、まるでジェットコースター。ちょっとしたスリルも感じられる(もちろんジェットコースターも安全第一です)。

小田急江ノ島線と同様に、県内の内陸部を南北に結んでいるもう1つの路線が、JR相模線だ。もともとは私鉄の相模鉄道が建設し、国有化されて相模線となったというエピソードを持つこの路線、電化されたのが1991年と首都圏ではかなり遅い。おかげでローカル線のような扱いを受けることもしばしばだ。

相模線が結んでいるのは茅ケ崎―橋本間。相模川の左岸を南北に走り、厚木駅・海老名駅では小田急線と接続。長らく電化以来の205系の独擅場だったが、2021年にE131系が登場して現在はすべて置き換わっている。

こうして“横浜を通らない”神奈川県の鉄道ネットワークを見てみると、中心にあるのはやはり小田急ではないかと思えてくる。

本線格の小田急小田原線が、県の中央部を北東から南東へと駆け抜けて、それでいて多摩線・江ノ島線も持つ。だから、神奈川県における東海道本線と並び立つ“幹”は、紛れもなく小田急だといっていい。

ほかにも京急川崎駅からは京急のルーツたる大師線が分かれていたり、はたまた横浜市北部の海沿いでは産業鉄道の色がいまだに濃厚なJR鶴見線が工業地帯を走っていたり。新杉田―金沢八景間で八景島や工業団地を見ながら走る金沢シーサイドラインもある。

【写真の続き】横浜駅など立ち寄らなくたって痛くもかゆくもありません、とばかりに神奈川県内の四方八方を駆けてゆく「横浜駅を通らない路線」の面々

横浜駅に頼らない主役級

かくのごとく、神奈川県というのは横浜駅という日本屈指のマンモスターミナルを脇に置いても、容易には語り尽くせないほどの鉄道ネットワークを持っているのだ。

これ、実はだいぶスゴいことじゃないかと思う。天下の東京だって、山手線を中心としない鉄道は、JR武蔵野線や西武の支線、多摩モノレールなど、ある意味“脇役的な存在”。大阪だって中心部にほとんどすべての路線が集まっている。

ところが、神奈川県は主役級といっていい路線が、横浜駅など立ち寄らなくたって痛くもかゆくもありません、とばかりに四方八方を駆けてゆく。いずれにしても、神奈川県は日本有数の鉄道県なのである。

鼠入 昌史:ライター

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