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平清盛の名前に「の」が入る"意外と深い"理由 意外と知られてない「氏」と「姓」の違いとは

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 15時30分

綺麗なのにすぐに散ってしまうというイメージがある桜。その儚さが、美しさを際立たせていると言われています(写真:denkei/PIXTA)

「頭のいい人は、日常をどんなふうに見ているのか?」

同じ日常を送っていても、知識の深さや物の見方次第で、得られる発見や洞察は驚くほど変わります。頭のいい人は探求心を持ち、日常の中で目にする何気ない言葉にも「この定義は何だろう?」と疑問を抱きます。その疑問が新たな発見を生み、さらなる知識を獲得。その答えをつなぎ合わせることで、連続的な学びを得ています。こうしたプロセスを通じて、頭のいい人たちは脳内で〈学習の自動化〉を実現しているのです。

この記事では、東大生作家の西岡壱誠氏の最新刊『頭のいい人だけが知っている世界の見方』より、教養を持っている「頭のいい人」たちの独自の世界の捉え方について、詳しくご紹介します。

頭のいい人は名前と歴史を関連づけられる

日本史の勉強を勉強していると、古代の時代には「卑弥呼」とか「ワカタケル大王」とかそんな名前でしたよね。それが、飛鳥時代以降にだんだん、今の時代と同じような「蘇我馬子」とか「小野妹子」とか、「苗字+名前」の名前が出てくるようになります。

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でも、鎌倉時代くらいまでの歴史上の人物の名前は、今の苗字のルールと違う人物が多いです。「藤原道長(ふじわら「の」みちなが)」「源頼朝(みなもと「の」よりとも)」「平清盛(たいら「の」きよもり)」のように、藤原氏や平氏・源氏には、名前と苗字の間に「の」と入っています。

これは実は、「氏(うじ)」と「姓(かばね)」の違いです。今は我々には苗字が1つしかありませんが、江戸時代までは「苗字」と「氏」の両方を持っていたとされています。氏と姓が分けて考えられていたのです。

「氏」は、血縁や一族を表すものです。例えば「藤原氏」は、中臣鎌足が天智天皇から与えられた氏です。源氏や平氏も同様で、天皇から賜ったものになります。これは通常の「姓」とは分けて考えられていたのです。だから「氏」の場合には「の」が入っているわけです。

それに対して「姓」は、職業や職能・朝廷内での立場を表すものでした。例えば源頼朝も、本来は「源 朝臣 頼朝」となります。「朝廷の臣下」という意味で「朝臣」が姓ですね。とはいえ、奈良時代以降にはほとんどの人が朝臣となってしまったため、意味がなくなったと言われています。

現在まで続く「苗字」は、もともとはこれらとは別のもので、同じ「氏」の人が多くなってきてしまったためにそれと区別するために領地の地名を取るなどして名乗るようになったものだと言われています。例えば源頼朝の従兄弟にあたる有名な武士である木曾義仲は、名前の前に「木曾」と付いていますが、本来は彼も「源義仲(みなもと「の」よしなか)」でした。

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