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「1155円」「957円」頭のいい人なら気づく"法則" 数学ができる人は世界をこんなふうに見る

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 12時30分

この話を知っていれば、みなさんがコンビニでバイトしたとして、11の倍数のお会計になっていなかったら「あれ? なんか計算間違っているかも?」と考えられますよね。

このように、消費税を考慮することはいろんな場面でビジネスの成功につながります。自分はある経営者の先輩から「9000円の商品は作ってはならない」と言われたことがあります。「なぜ?」と聞いたら、「1.1倍すると9900円で、すごく半端な数になってしまうから」だと言われました。

そのくらいの値段の商品を作るなら、9091円の方がいい、と。実際、9091円を1.1倍すると9091円×1.1(消費税)=10000.1円(端数切り捨てでちょうど1万円)になるわけですね。確かにこの方が計算が早くなって、事業計画も立てやすいように感じます。一方で、9900円で打ち出して、心理的に「1万円以下」として魅力的に映すという手段もあります。

結局のところ、価格設定は顧客ニーズに合わせる必要があるので、ケースバイケースにはなりますが、知っているか否かではビジネス戦略に大きな差が生まれます。

サイゼリヤの価格改定は戦略的?

また、こんな話があります。2020年、ファミリーレストランの「サイゼリヤ」は、全てのメニューの価格改定をしました。その多くが「1円の値上げ・値下げ」でした。「たった1円? なんで?」と多くの方が指摘していたのですが、このサイゼリヤの戦略は非常に数学的に正しいものだったのです。さて、価格改定後の税別価格はこんな感じでした。

・辛味チキン 273円
・爽やかにんじんサラダ 182円
・コーンクリームスープ 137円
・ミラノ風ドリア 273円
・マルゲリータピザ 364円

一見、なんの変哲もない数字ですね。ですがこれ、税込価格に計算するととんでもないことがわかります。

・辛味チキン 300円
・爽やかにんじんサラダ 200円
・コーンクリームスープ 150円
・ミラノ風ドリア 300円
・マルゲリータピザ 400円

そう、下2桁が「0」「50」円の、計算しやすい値段になっているのです。こうすると、使う硬貨が少なくなりますよね。「0円」「50円」なら、1円とか5円とか10円とかを使う必要がなくなり、500円玉と100円玉と50円玉で済みます。 

これがサイゼリヤの狙いだったわけです。このように、消費税を考えつつ数字をしっかりと理解することはビジネスを有利に進めることにつながる場合があります。 

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