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なぜロマンスカーに憧れる?小田急運転士に聞く 駅員→通勤車両の車掌→運転士→…長い道のり

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 6時30分

小田急ロマンスカーの運転士になるための実車訓練。MSE(60000形)の運転台の機器の配置や扱い方などについて学ぶ(記者撮影)

小田急電鉄は東京・都心の新宿駅をターミナルに小田原・箱根、多摩方面、江ノ島方面を結ぶ。沿線の通勤と観光需要の両面で活躍するのが特急「ロマンスカー」。関東の私鉄を代表する有料特急の1つだ。

【はじめに写真を見る】「子供たちの憧れの的になりたい」。小田急電鉄の喜多見電車基地内で、ロマンスカーの乗務を目指す運転士たちが受けていた教習とは?

「小田急の顔」の担い手

ロマンスカーの車両には展望席のある赤いGSE(70000形)、地下鉄乗り入れに対応した青いMSE(60000形)と、沿線の通勤需要に対応したEXE(30000形)、EXEをリニューアルしたEXEα(同)がある。小田急は2024年9月、2028年度の運行開始を目指し、新型ロマンスカーの設計に着手したと発表した。

小田急によると、新型車両はEXEの代替で、2023年に引退した白いロマンスカー・VSE(50000形)の後継の位置づけとのことだが、現時点ではまったくその全容が見えていない。今後は新型車両の開発に関連したニュースが出るたびに話題を呼ぶことになりそうだ。

ロマンスカーの車両は昔も今も、小田急の顔といえる。が、その車両を安全に動かす運転士がいることも忘れてはいけない。

【写真】小田急電鉄の喜多見電車基地でのロマンスカー・MSEを使った「実車訓練」の様子。乗客の知らない裏側で、ロマンスカーの乗務を目指す運転士たちが教習を受けていた。彼らは「子供たちの憧れになりたい」と口をそろえる

2024年10月のある日。喜多見電車基地(東京都世田谷区)に複数の運転士の姿があった。彼らは一人前の運転士として通勤車両に乗務しているが、社内の規定でロマンスカーを運転することはできない。この日実施したのは実車訓練。「新人ロマンスカー担当者養成」のうちの学科教習の一環だ。

ロマンスカーは車種によって機器の配置や故障時の対応の方法が異なる。運転士として乗務しているときに異常が発生しても自分で対処できるよう、すべての車種について頭に叩き込んでおく必要がある。

【写真】喜多見電車基地でのロマンスカー・MSEを使った「実車訓練」の様子。車種によって機器の配置や故障時の対応の方法が異なるため覚える項目は多い

まず駅員、次に通勤車両の乗務員

そもそもロマンスカーの運転士になるための道のりは長い。まず入社後は駅員として勤務しながら鉄道の業務の基本を学ぶ。そして車掌登用試験に合格し、車掌見習い、車掌科単独作業確認試験などを経て通勤車両に車掌として乗務する。

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