「内向きのトランプ」に今石破首相が語るべき言葉 茂木敏充氏が考える、「トランプ2.0」の日米外交
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 16時30分
――2期目のほうが付き合いにくい、怖い政権になるでしょうか?
それは国にもよるでしょう。例えばメキシコ、カナダには25%の関税をかけるという形になっています(編集部注:収録後の2月4日、トランプ氏は2国に対する関税発動の延期を表明)。1期目の際もメキシコ、カナダとの間の通商協定であるNAFTAを見直そうという動きはあったものの、確か政権発足から1年以上時間が経ってからのものでした。
それが今回は政権発足から2週間で打ち出した。かなり動きが速いです。これはメキシコ、カナダだけではなく、日本にも関連してくる問題です。例えばメキシコでは今、日本の自動車メーカーが年間123万台の車を造っていて、この6割に当たる74万台はアメリカに輸出しています。
大手自動車メーカーはもちろん、関連する部品メーカーもかなり現地に進出していて、打撃を受けることになります。メキシコと同様に、カナダでアメリカ向けの自動車を生産している日本企業も多くあります。
――日本に対する関税という話にはまだなっていませんが、これからの通商交渉や日米首脳会談の中で、トランプ氏が日本に対しても厳しい要求を打ち出してくる可能性はあるでしょうか。
そこはわかりません。1期目のときにトランプ氏は、対日貿易赤字についてかなり問題視していました。ところが今は、中国、メキシコ、カナダ、そしてEUに対してかなり批判的なことを言っています。
日本に対しては今のところ、特段の言及がありません。とはいえ、会ってみないと何を言い出すかはわかりませんが。
――1期目当時の、安倍晋三首相との良好な関係性が今でも生きていて、2期目もトランプ氏は日本に対してわりと融和的である可能性もありますか?
可能性はあるでしょう。日本からアメリカへの投資は増えています。トランプ氏が問題視していた貿易赤字も縮小している。ただ、アメリカにとって状況がよくなっていることは確かなんですが、じゃあトランプ氏がそれでよしとしているか。これはわからない部分があります。
――もう1つは、安全保障の面です。対中国では、アメリカと日本はどうしても連携していく必要があります。一方でトランプ氏は日本に「安保タダ乗り論」を再び突き付けてくるかもしれない。自衛隊のさらなる貢献が求められるのか、それとも日本が防衛費をさらに増やす必要に迫られるのか。いかがでしょう。
トランプ氏はNATOのほうにはそういう要求をすでにしていますね。日本としては、ひとまず防衛費をGDP比で2%まで増額することを決めた。伸び率のカーブでいうと日本が他国に比べても高い。こういう説明を、日本としてはきちんとしていくことになると思います。
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