「内向きのトランプ」に今石破首相が語るべき言葉 茂木敏充氏が考える、「トランプ2.0」の日米外交
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 16時30分
むしろ今は、中国が日本に対していろんな点で融和的ですよね。これは中国が米中間の対立などを想定しながら、いろいろな国に対して「あまりアメリカと組まないように」という動きをしているものと考えられます。
逆に米中の関係がうまくいき始めると、今後は中国が日本に対して厳しい姿勢、力による一方的な現状変更などを振りかざしてくる危険性があるのではないかと思います。
安倍氏がトランプ氏に行っていた「インプット」
――つまり米中が日本の頭ごしに関係を修復してしまうと、そのときが実は日本のいちばんの危機になると。
その可能性はあります。1期目のとき、安倍首相(当時)がトランプ氏とよくゴルフをしていましたが、その際に最もよく話していたのは中国の話。ゴルフを楽しんでいるようで、カートに乗りながら「実は今、中国はこんなこともやっている」「気をつけたほうがいい」といった話をトランプ氏にインプットしていたのは間違いないんですよ。
もちろん中国も国際社会の一員ですから、ルールを守ってもらったり、協力してもらったりする部分はあるんですが、中国の言っていることをそのまま信じたら結構大変なことになるんだと。やっぱり、自由で開かれた国際秩序をつくっていくうえで、日米の連携が中核なんだと。
中国を仮想敵にするわけではないけど、秩序を乱そうとする勢力には毅然と対応していこうというのを、トランプ氏にしっかりインプットすることが必要です。ただ、おそらく官邸も外務省も含め、(石破首相が)今回の訪米でやろうとしていることは、何にせよ共同声明を作っちゃおうということではないかと。
事前にある程度声明を作ってしまって、あとは首脳会談のときには、失点がないように。そこでトラブルが起きないように。それで内容について聞かれたら、「共同声明のとおりで、日米の協力関係をいろんな分野で進化をさせていって、日米同盟をより強固なものにしていくことを互いに確認した」とか、こういう形にするんじゃないですかね。
――共同声明の内容について、トランプ氏が文句を言ったりはしない?
まず見ないでしょう(笑)。私も会合に何度も同席していますが、トランプ氏は手元の紙は見ず、バーッと話し出す感じですから。
――石破氏とトランプ氏の”ケミストリー”をどうみますか。同じキリスト教徒だから意気投合するのでは?と言う人もいますが、そんなの関係ないだろうと言う人もいます。
キリスト教は関係ないと思います。その場で率直に話ができるか、トランプ氏に「この人を信用していい」と思ってもらえるかどうかでしょう。
「突っ込んだ前向きな話」ができるか
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