山形市が「ラーメン日本一」になった納得の理由【再配信】 古き歴史と新しい店が一体に、独自の多様性が形成
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 16時50分
「つけ麺をメインで出していましたが、中華そばから売り切れていく毎日でした。中華そばが売り切れると『ラーメンないの?』『ラーメン屋なのにラーメンがない店ってどうなの?』と言われ、山形ではこれほどまでにラーメンばかりが愛されているのかと驚きました」(藤田店主)
山形の人たちにとってラーメンは本当に身近な存在。逆に、つけ麺を食べるという選択肢は一切なかったのである。SNSの書き込みを見ると心が病んでくるので、ネットは一切見ずに自分のつけ麺をブラッシュアップし続けた藤田さん。10年経ってようやくつけ麺が市民権を得てきた。
「山形の人たちからすればラーメンを日常的に食べるのは当たり前のことですが、メディアが“山形=ラーメン”と盛り上げてくれているのを見て、県民に火がついてより食べるようになってきているような気がします。
メディアが盛り上げてくれたこと、そして何よりラーメンを消費してくれる県民の皆様のラーメン愛からなる三位一体の力が大きいと感じます」(藤田店主)
お店を10年続けてきたことにより、県内のお客さんはつけ麺を食べるようになってくれたが、逆に県外からのお客さんはいまだに9割の人が中華そばを注文するという。それは“山形=ラーメン”になっているからだと藤田店主は分析している。
「ラーメンは自由だからこそいろんな人が食べてくれるのだと思っています。山形市はラーメンの消費量は全国1位ですが、ご当地ラーメンは“冷やしラーメン”ぐらいしかありません。他はなんでもござれでいろいろなラーメンがあり、だからこそいいのだと思っています」(藤田店主)
広い多様性が山形のラーメンの大きな魅力の1つ
山形市で鶏の芳醇なスープで人気の「鶏冠」。2016年にオープンしたお店で、これまで山形にはなかった新しいラーメンを広めていった。
「埼玉の『四つ葉』の味に感動し、ローストポークをのせたり、低加水の麺を使ったりと今まで山形の人たちが食べたことのないラーメンを展開しました。はじめは『これはラーメンじゃない。そばか?』と罵られることも多く、1年半批判を浴び続けましたが、メディアに紹介されてからお客さんが増えていきました」(「鶏冠」桜井洋一店主)
ラーメン文化が強く根付いている山形では新しいラーメンはなかなか受け入れられてこなかったが、「麺藤田」藤田店主や「鶏冠」桜井店主のようなバイタリティのある店主の手によって新たな歴史が生まれてきている。この広い多様性こそが山形のラーメンの大きな魅力の1つである。
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