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東急線、懐かしい「ギラギラのステンレス車」時代 緑の旧型車が活躍、非冷房も残る80年代の記憶

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 6時30分

それ以上にバラエティ豊かだったのは大井町線だ。旧5000系・5200系(1985年まで)、旧6000系・7000系・7200系・8000系と6車種が集まっており、何が来るか分からない楽しみがあった。しかし反面、夏場に冷房付きの8000系が来れば天国だがそれ以外は地獄……という運試しもあった。

旧6000系は、サイレンのようだと評される独特なモーター音を響かせるも、1台車1モーターという特殊構造ゆえか上り坂ではなかなか加速せず、旗の台から北千束へかけての急勾配では、運転士がギリギリまで加速をしていたのが強く印象に残っている。

そんな6000系は、1984年に1編成がVVVFインバーター制御試験車両へ改造され大井町線で実際に営業運転を行った。今では当たり前となったが、これが直流1500V区間におけるVVVFインバーター制御車両による日本初の営業運転だった。初めて乗車した時、(当時としては)これまで聞いたこともない変調音を耳にして、小学生だった筆者は「これが未来の電車なのか」と感心したものだった。

大変貌した東急各線

東急各線はその後、2000年代に入って大変貌を遂げた。目蒲線は分断されて目黒線と東急多摩川線となった。東横線は2013年に副都心線直通という大きな転機を迎え、9000系以前の車両は運用から退いて5050系に統一され、日比谷線との相互直通運転も廃止された。東武や西武から列車が直通するようになり、東横線を走る車両はすっかり様変わりした。

【写真】東横線でも走っていた8500系。「日吉行き」の方向幕を掲げた姿

大井町線も、東横線を追われて転属した9000系によって、それ以前に同線から移ってきた8090系などを駆逐したが、その9000系も間もなく新車へ置き換えられる予定だ。そして、9000系は西武鉄道に譲渡される。かつての東急と西武のライバル関係を思うと、両社が相互直通運転をするだけに留まらず、車両が西武に譲渡されるということも隔世の感がある。

昭和末期から平成、そして令和に至る中で大きく変貌を遂げた東急電車。かつての自分に今の姿を言ったところで絶対に信じてはもらえないだろう。過去の写真を眺めながらそう確信した。

橋爪 智之:欧州鉄道フォトライター

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