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水原一平被告が「賠償金26億円」を返済する方法 大谷翔平選手に返済するために何ができるのか

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 11時30分

(写真:ブルームバーグ)

大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告に対する判決が下りました。禁錮4年9カ月に加えて大谷翔平選手に対して被害額に相当する約26億円の賠償を言い渡した判決です。

【写真を見る】「賠償金26億円」…裁判を終えた水原一平被告の表情

ギャンブルにのめり込んで、大谷翔平選手の名前を名乗って銀行口座から不正送金をした罪は本人も重く受け止めていて「大谷選手に申し訳ない。どんな結果であろうと受け止める。家族や、ドジャースにも謝りたい」と証言台で反省の意を表明したと報じられています。

このあとおそらく判決を受けて、来月には水原一平被告は刑務所に収監されることになるはずです。

水原一平氏の人生は「詰んで」いない?

さて、仮にこれが日本で起きた事件であったとしたら、この時点で犯人の人生は「詰んで」しまっていたことでしょう。被害者の側も取り返せる被害額はせいぜい数千万円が限度で、事件は判決とはかけ離れた終わり方を迎えることになったでしょう。

しかし、事件が起きたのはアメリカです。これからいったい何が起きるでしょうか? 私は経済の専門家であると同時に、犯罪などのジャンルの知識を競う「地下クイズ王」の肩書も持っています。このふたつの知識から、この事件の今後を考えてみたいと思います。

この後、確実に起きるであろうことは、水原一平氏のもとに大手の出版エージェントが何社もラブコールを送り、自伝という名の暴露本を出版するように提案する展開になるでしょう。出版前に支払われる契約金は争奪戦で吊り上がり数億円に上るはずです。

法律に詳しい方はアメリカには「サムの息子法」という法律があることをご存じだと思います。犯罪者がその犯罪をテーマに書籍を出版したり映画化して利益を得ることを制限する法律です。

サムの息子法はニューヨーク州で作られた法律ですが、その後アメリカの40州で同様の法律が成立しています。水原被告が判決をうけたカルフォルニア州もそのひとつですが、法律の適用範囲は重罪に限定しています。

水原被告の罪は詐欺と虚偽の納税申告ですから、殺人や強盗のような重罪とは言えないかもしれません。ただ裁判官が「1700万ドルという金額は窃盗の規模としては衝撃的」と断じていることから、出版自体が裁判で争われることになった場合の司法判断は微妙かもしれません。

アメリカではやり直せる可能性

さて、仮にサムの息子法が適用されたとしても水原被告が得た利益は法律上は大谷選手への賠償に充てられることになります。水原被告としては他にお金を返済するあてなどないわけなので、遅かれ早かれ、この自伝出版の話にのる可能性があります。

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