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「三つ子で1人だけ浪人した」彼が2浪で掴んだ道 次男は早稲田、三男は米国の大学に進学したが

東洋経済オンライン / 2025年2月9日 9時0分

夏の大会が終わって引退した高校3年生の8月からは東進ハイスクールに通いはじめ、本格的に受験勉強をスタートした陸さん。しかし、勉強し始めてしばらくしてから、この年のうちには合格するのは難しいと感じたそうです。

「夏に受けた駿台のマーク模試で偏差値が40くらいだったことだけは覚えています。『30じゃなかったわ!』という感じでした(笑)。だから、もうこの年はまず、センター試験で点数を取るための勉強をしようと思いました」

野球部のときからの習慣であった朝7時半に登校して勉強を続けながら、それまで野球をしていた時間もすべて受験勉強に費やした陸さんは、センター試験では60%を確保します。しかし結局、この年は数学のみで受験ができた群馬県の大学を試しに受けたのみ。その大学も落ちて1浪が確定しました。

こうして「医学部に行くためには浪人するものだと思っていた」という理由で浪人を決意した陸さん。次男は早稲田大学の政治経済学部、三男はアメリカの大学に進むことが決まりましたが、自分だけ浪人することに対して「心細い」という感情はなかったそうです。

「周囲にも医学部受験をする人が多かったのですが、普通に高校で勉強をしていた人が1浪してようやく受かるところだとわかっていました。僕はその子たちよりも勉強時間が少ないので、1浪は仕方ないと受け入れていましたし、医学部は浪人しないで受かるようなところではないとも思っていました」

この年は志望を医学部のみに変更し、駿台予備学校の市谷校で浪人生活を始めた陸さん。8時10分の開館から21時の閉館までずっと予備校で缶詰めになって勉強し続けたかいもあり、頑張ったらどこかの大学の医学部には受かるかもしれないくらいの成績にまで持っていくことができました。

「過去問を解かなかった」のが失敗に

陸さんのこの年のセンター試験は70%前半に終わったため、国公立の医学部は断念したものの、私立の医学部に10校程度出願しました。しかし、1月から大学を受け続ける中で、初めて自分の勉強法の失敗に気づかされたそうです。それは、「過去問を解かなかったこと」でした。

「当時の自分は、どの科目でもレベル別に分かれた問題集をやっていました。その問題が100%解けない状態で、過去問をやる意味があるのかと疑問に思っていたのです。でも、私立大学は制限時間や問題の形式が大学によって異なります。過去問を解かないと、問題の解き方や、1問にかけられる時間などがわかりません。私は現役のときに1校しか受けなかったこともあり、入試シーズンに入るまで、過去問の大事さに気づけなかったのです」

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