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ドイツ総選挙・極右と極左の2人の女性党首に注目 2月23日投票、AfDとBSWはどこまで躍進するか

東洋経済オンライン / 2025年2月9日 17時0分

「ドイツのための選択肢」(AfD)の共同党首であるアリス・ヴァイデル氏(写真・2024 Bloomberg Finance LP)

2025年2月23日、ドイツでは議会選挙が行われる。2021年以来の選挙だ。今回の注目点は、極右政党といわれる「ドイツのための選択肢」(AfD)が躍進するかどうかであり、さらに共同党首のアリス・ヴァイデル(1979年~)という女性の行動だ。

巷では、ドイツ国歌に模して「すべての上にドイツ」(Deutschland über alles)という歌詞を「アリスの上にドイツ」に換えた歌が歌われているという(AllesとAliceが似た発音だから)。

ドイツ国歌の第1番にあるこのフレーズは、歌うことが禁止されている。この言葉がすべての州の上にドイツではなく、「世界に冠たるドイツ」という、ナチス時代の第三帝国を意味するということからだ。

極右政党のイメージと異なる党首

もともと1841年に詩人のアウグスト・ハインリヒ・ホフマン・フォン・ファーラースレーベン(1798~1874年)が書いた「ドイツの歌」は、当時ドイツにとっての課題であった統一ドイツを意図したもので、第三帝国との関係はまったくなかった。

しかし、時代は変化する、1871年ドイツが統一されてしまえば、この言葉の元の意味はなくなり変化せざるをえない。それが、やがて世界支配の意味となったのも当然かもしれない。

だからこそ、この替え歌が極右の党首アリスのことを意味するとすれば、ドイツ人は冷静ではいられない。

もっともアリス・ヴァイデルその人は、これまでの極右政党のイメージとは大幅に異なる。彼女はイギリスやフランスではなく中国に留学し、中国の年金問題に関する博士論文を書いている。しかも、スリランカ人の夫をもち、なおかつLGBTでもある彼女は同性愛者だともいう。

極右政党は、どの国においてもその思想において一致しているところがある。それは祖国愛と家族愛だ。

その家族愛は、昔ながらの男女愛であるがゆえに、同性愛に対する嫌悪が奥底にある。また祖国愛という点で外国人への憎悪も根強い。それが移民排斥と人種差別につながっている。

その党首が外国人と結婚し、なおかつ性に関して自由な考えかたをもつというのは、きわめて不自然かもしれない。

もう1人のAfD党首はマルクスにつらなる家系

AfDの創設者の1人は、ベアトリクス・フォン・シュトルヒだ。彼女も女性だが、彼女の祖父はナチス時代のヒトラー政権の財務相だったヨハン・ルードヴィヒ(ルッツ)・グラーフ・フォン・シュヴェリン・クロシック(1887~1977年、旧東ドイツのラートマンスドルフ出身)という、由緒ある貴族の末裔である。

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