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管理費込で「2万7千円」西成ハウスの"壊れた日々" 排水、トイレ、揚げ句の果てには鍵まで…

東洋経済オンライン / 2025年2月10日 8時35分

「さらに半年更新しますか?」

と言われて迷った。

更新後、次々と起こる部屋の異変

確かに便利だが、部屋に風呂トイレがないのはやはり面倒くさかった。

わかりやすいデメリットとしてはゴキブリが出る。ゴキブリもいろいろな種類が出た。大きいヤマトゴキブリとチャバネゴキブリは当たり前のように出るが、テントウムシのようにツルツル光ったのが出たときは、

「こんなタイプのいましたっけ?」

となった。

でも新しい部屋を探して、住むというのは面倒くさい。いろいろ迷って、あと半年は住んでみようと決めた。

それで、延長したのだが……それを合図にしたかのように部屋に異変が起こりはじめた。

『三茶のポルターガイスト』というノンフィクション映画が話題になった。

東京の三軒茶屋にあるスタジオで、日夜オカルト現象が起きているというのだ。壁にかけられたボードが揺れ、床から手が伸びて、壁から水が吹き出す。まさにポルターガイスト。霊たちが大騒ぎという作品だ。

西成シェアハウスで起きた心霊現象

だが、西成のシェアハウスも三茶のスタジオに勝るとも劣らない物件だった。

一番、軽い現象だと、壁のすぐ向こうからハトの鳴き声が聞こえる。壁に近寄ると、本当にすぐ真裏で「クルックー」と鳴いているようなのだ。壁が振動するくらい近い。

壁の向こうはリビングで、リビングの中にハトが入ってきているということはない。

ハトの心霊現象ではないとすると、僕の部屋とリビングの間にある(のかもしれない)細い隙間にハトが入り込んでいるとしか思えない。薄くペッタンコになったハトがズルズルと壁の隙間で「クルックー クルックー」と毎朝鳴いていると想像して、震えた。

そして延長した数日後、部屋で寝ていると顔に水がかかった。ポタポタではない。バシャバシャだ。慌てて飛び起きると、壁にザバザバと水が流れていた。しかも茶色い水だ。天井には大きなシミができて、ボタボタボタ!! と水が落ちてくる。

慌てて、布団や機械類をどける。

不動産屋にLINEをすると、

「すぐに管理人を向かわせます」

と返信があった。返信はあったが、管理人が来たのは1時間経った後だった。その間も、部屋に水は降り注いでいた。壁ぎわに流れていた水は、そのまま畳に吸い取られていった。

呆然として水が流れる様子を眺めた。

今カラ、直シテアゲルネ!! 

憔悴していると、壁がノックされた。ドアを開けると、にっこり笑顔のベトナム人がいた。

「今カラ、直シテアゲルネ!! 洗濯機ノ排水ガコワレタミタイ!!」

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