真の読解力を鍛えるために真っ先にするべきこと 読解力を構成する「3つの力」とは?
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 16時30分
「読解力」や「国語力」と名のつく本を読んでも、求めていたものと違ったり、物足りなく感じたりした経験はないでしょうか。では、真の読解力を身につけるために、獲得すべき技能とはどのようなものでしょうか。『一生モノの思考力を鍛える 大人の読解力トレーニング』から、読解力を鍛えるために、日常の中で活用できる技能についてご紹介します。
世界に傍線は引かれていない
小中高生の頃に受けた国語のテストを思い出してみると、多くは長文に──(傍線)が引いてあり、「問三 ──部に○○とあるが、それはなぜか」とか、「問五 ──部の意味を説明したものとしてふさわしいものを次のア~オから選べ」などと問われていたはずだ。
つまり、たいていの場合、最初からそこに傍線が引かれていた。そのことに疑問を持つことは、普通はないはずだ。なにしろ、与えられた傍線部について考え、与えられた時間内で点数を取ることに精一杯で、そんなことを考えている余裕はなかっただろうから。
ならば、次の文章に──を引き、問いを作るとしたらどうだろうか。
人間と他の多くの動物とをくらべたとき、大きな違いの一つとして挙げられるのは、時間と空間を超越する想像力の有無についてであろう。
多くの動物は、「獲物はいつ頃現れるか」「捕まえたい獲物がどこにいるのか」などということを考えて行動することはない。いわば、「今・ここ」のことに反応するだけだ。
ところが人間は、「今・ここ」を離れ、過去と未来あるいは目に見えない場所を想像することができる。
ただ、こういった力があるがゆえに、私たちは苦悩を味わうことにもなる。終わったはずの失敗を忘れられず悩み、まだ得られていない成果を皮算用して失敗し、あるいは、遠方に住む友だちのことを心配し、未来のわが子の人生について考えすぎて誤った判断をしてしまう。すべては、「今・ここ」を離れてイメージを自由にふくらませる力の存在ゆえである。
私たちは、日々の苦悩から解き放たれるために、ときには意識的に「今・ここ」の中に閉じこもる必要があるのかもしれない。
『国語読解[完全攻略]22の鉄則』(福嶋隆史著・大和出版)より(一部改変)
いきなり「問いを作れ」と言われても……と困惑する方がほとんどではないだろうか。しかし、これが、世界というものなのだ。文章というものは、世界を描写・解説した一つの媒体にすぎない。私たちは、その媒体をとおして、世界を知る。世界には、もともと傍線など引かれていない。
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