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目の花粉症「まぶたに塗る新薬」登場で大きく進歩 目薬との使い分けやセルフケアを専門家が解説

東洋経済オンライン / 2025年2月11日 10時0分

花粉症で困る症状の1つ「目のかゆみ」に新薬が登場。従来の点眼薬との違いやメリット、適切なセルフケアについて、取材しました(写真:aijiro/PIXTA)

今年も各地で花粉の飛散が観測され始め、すでに鼻水や目のかゆみなどの症状が出ている人もいるだろう。しかし、ピークはこれから。日本気象協会の予測によると、昨シーズンと比べて広い範囲で飛散量が多く、特に近畿や四国では例年の2倍以上となる地域もあるとのこと。

そんななか、花粉症は目の症状がつらいという人に朗報なのが、「まぶたに塗る薬」の登場だ。なんと世界初だという。従来の点眼薬との違いやメリットのほか、花粉症の目の症状へのセルフケアについて、帝京大学医学部附属病院眼科准教授の三村達哉医師に聞いた。

世界初「まぶたに塗る花粉症治療薬」

花粉症の目の症状は、「アレルギー性結膜炎」と呼ばれ、目のかゆみや充血、涙目、ゴロゴロ、目やになどがある。

治療の基本は点眼の抗アレルギー薬で、かゆみの原因となる物質、ヒスタミンなどの放出を抑える「抗ヒスタミン薬」と、ヒスタミンの作用を抑制する「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」の2種類がある。

最初はどちらか一方を使い、効果が出なければ2種類、あるいは両方の作用を持つ点眼薬を使うのが基本だ。重症であれば、最初から2種類を使用することもある。

三村医師によると、そもそも抗アレルギー薬は指示された点眼回数を守れば、症状を抑えられることが多いそうだ。もし「効果がないかも」と感じたら、きちんと使用回数を守っているかどうか、思い返してみよう。

とはいえ、点眼の抗アレルギー薬は、1日2回のタイプもあるが、多いのは1日4回のタイプだ。日中は仕事に追われて、つい使うのを忘れてしまうこともあるだろう。

そうした忙しい人や点眼が苦手な人に向いているのが、2024年5月に発売された、まぶたに塗るクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療薬(商品名:アレジオン眼瞼クリーム)だ。世界初だという。

1日1回まぶたに塗るだけ

このクリーム製剤は、上下のまぶたに塗ることで、薬の成分が皮膚を通過して目の中(結膜)まで届き、その作用が24時間継続する。つまり、使用回数は1日1回だけですむ。

「効果については、点眼の抗アレルギー薬と同程度と報告されています。点眼薬の使用回数を守れないのであれば、1日1回の使用ですむクリームタイプのほうが、かゆみなどの症状を抑える効果が出やすいといえます」(三村医師)

使い方は適量(約1.3cm)のクリームを指先に出し、上下のまぶたに半量ずつやさしくなじませるだけ。毎日同じタイミングで塗ったほうがいいので、夜に塗るのが三村医師のおすすめだという。

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