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目の花粉症「まぶたに塗る新薬」登場で大きく進歩 目薬との使い分けやセルフケアを専門家が解説

東洋経済オンライン / 2025年2月11日 10時0分

「ステロイド薬は眼圧を上昇させて緑内障のリスクとなるため、特に眼圧が上がりやすい子どもには向いていません。大人も極力使わないようにしています」

セルフケアについては、目の横からの花粉も防げる保護メガネをかけて、花粉の侵入を防ぐことが有効だ。通常のメガネをかけるだけでも、メガネなしよりは花粉の侵入を防げる。

一方、コンタクトレンズはどうか。

「確かに黒目(角膜)の部分はレンズで覆われますが、白目(結膜)の部分から花粉は侵入します。また、コンタクトレンズの素材には花粉が付着しやすいタイプがあり、その場合は花粉が目の中に長時間とどまっていることになるので、炎症を起こしやすくなります」(三村医師)

目の中やまぶたに付いた花粉を落とすには、洗眼薬を使った洗眼が役に立つ。

洗眼薬にはアイカップを用いて洗うタイプと、点眼タイプの2種類がある。点眼タイプは、携帯しやすく、メイクをしたままでも使用できる。いずれも薬局やドラッグストアなどで購入できるが、1つだけ注意点がある。防腐剤を使用している洗眼薬は角膜を傷つける危険性があるため、避けたほうがいい。

目がかゆくなってしまったときの対策

目がかゆくなってしまったときはどうしたらいいか。

特に子どもの場合はかゆみを我慢できずに、かいてしまうことがある。しかし、前述したようにかくと症状が悪化する。

「かゆみを抑えるには、濡らしたタオルなどで冷やす、まぶたを乾燥させないように保湿する、この2つが大事です。まぶたが乾燥しているとかゆみが増します」(三村医師)

乾燥に関しては、目の中も同じことがいえる。

「ドライアイの人は、目のバリア機能が低下しているのでアレルギーを引き起こしやすく、アレルギー性結膜炎になると目の表面の炎症などによってさらにドライアイになるという悪循環に陥ります。このため、アレルギー性結膜炎は、ドライアイの治療も一緒に進めるとより効果的です」(三村医師)

目のかゆみなどによって仕事や勉強に集中できないなど、日常生活に支障が出ることもある。新しい薬や適切なセルフケアで快適に春を迎えてほしい。

(取材・文/中寺暁子)

帝京大学医学部附属病院眼科 准教授
三村達哉

1997年、山梨医科大学医学部医学科卒。東京大学医学部附属病院眼科、ハーバード大学(MEEI/スケペンス眼研究所)やイリノイ大学シカゴ校への留学を経て、2007年東京大学医学部附属病院眼科助教。2012年東京女子医科大学東医療センター眼科講師を経て2017年から現職。日本眼科学会指導医・専門医。

東洋経済オンライン医療取材チーム:記者・ライター

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