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手作り「ドバイチョコ」大ブームで高額転売の狂騒 サクサクとした食感、濃厚なピスタチオ風味が特徴

東洋経済オンライン / 2025年2月12日 13時30分

冒頭で触れたように、日本でもFIXチョコレート風ドバイチョコレートが多数登場するようになってきた。高級トルコスイーツブランド「divan(ディヴァン)」も、2025年1月から「ドバイチョコレート」の発売を開始。銀座松屋などで購入できるように、ここ日本でも着実にドバイチョコレートのトレンドの波が押し寄せ始めている。だが、元祖であるFIXチョコレートが海を渡る機会は、まだ先になりそうだ。

世界的トレンドになったとはいえ、もともとは自宅の作業から始まった副業的プロジェクトだ。現在、スタッフの数は50人まで増えたが、世界的な進出に対しては慎重。類似商品が登場することについても、「似たような商品が登場しているのを見ることもありますが、それは私たちが前進し続けるべきだという良い刺激になっています」とサラさんは余裕をもって答える。

「地元のお客様だけでなく、国際的なお客様にも私たちのバーを届ける機会を得られたことは、信じられないほど素晴らしいことです。日本の皆さんにもFIXが生まれた地・ドバイを訪れて、現地でオリジナルの味ーー製造から3日以内のフレッシュな状態を楽しんでほしいです」(サラさん)

ドバイという土地柄が生んだ創造性

また、この成功の背景には「ドバイという野心と創造性を育む特別な街であることも大きい」とサラさんは続ける。

ドバイは多国籍の人々が暮らし、交流する街だからこそ、いろいろなものを受け入れる度量がある。アイデアを尊重し、自由にやることを推奨する風土がある。革新性があったからこそ、FIXチョコレートはASMRから人気に火が付くという、新しい潮流を生み出したとも言える。

また、街の大きさがコンパクトゆえ、住民たちの間で話題が広がりやすい。面白いものが生まれれば驚き、経済的にも余裕がある人が多いため購入することをためらわない。

こうした気質は行政にも通じるところがあり、ドバイのハムダン皇太子専用のFIXチョコレート(「FIX x Fazza」というブランド)まで作ってしまったというのだから驚きだ。

面白がる気質があるこそ商品が話題になりやすい。そして、世界中からたくさんの旅行者が訪れることで、FIXチョコレートのような話題の商品が世界へ広がっていく。

新たに注目のチョコレートブランドも

実は、現在ドバイではもう一つ話題になっているチョコレートブランドがある。

フィリピンにルーツを持つ2人の姉妹が共同経営する「CO Chocolat(コ・ショコラ)」は、 上質なカカオとココナッツシュガーやデーツシュガー、サトウキビといった天然甘味料によって、チョコレートを製造。高血圧の人や糖尿病を患う人も安心して食べることができると評判を呼んでいる。

「CO Chocolat」には、現在までUAE、フィリピン、シンガポール、カタール、クウェート、イギリス、アメリカなど40人を超える投資家が集まり、彼女たちの取り組みを支援しているそうだ。自国民でなくても、可能性を感じたらサポートする。これもまた、ドバイという場所ならではの野心と創造性と言えるだろう。

FIXチョコレートが世界的トレンドになったように、今後は“ドバイ発”の冠が付くスイーツが増えるかもしれない。ドバイチョコレートは、その嚆矢となりそうだ。

我妻 弘崇:フリーライター

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