ソフトバンク、「AIに異次元投資」で浮上する焦点 自信満々の孫会長、OpenAIとも急接近
東洋経済オンライン / 2025年2月12日 7時0分
皇居外苑を望む東京・丸の内の名門宴会場、東京會舘。2月3日の昼すぎ、その周辺が異様な光景に包まれた。
【写真で見る】直近のプレゼンテーションではつねに手ぶらだった孫会長。この日は黒い箱を意味ありげに持参し、中からあるものを取り出した
大通りから、隣接する細道、そして施設の車寄せに至るまでが、東京會舘を目指す黒塗りのセダンでびっしりと埋め尽くされ、渋滞を引き起こしていた。車寄せへの到達を諦め、手前の道で車を降りるスーツ姿の人々も散見された。
それもそのはず。ここには日本の時価総額の半分を超える、500社のトップたちが集まってきていたのだ。
目当ては、14時から開催された「AIによる法人ビジネスの変革」なるタイトルのイベント。ホストは、生成AIの大波をもたらした時代の寵児・OpenAI、そして日本の産業界におけるAIのオピニオンリーダー・孫正義会長率いるソフトバンクグループだ。
OpenAIとともに最先端AIを提供
OpenAIとソフトバンクグループはこの日、AIに関する提携を発表した。折半出資による合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立し、法人向けAIソリューション「クリスタル・インテリジェンス」の開発と、日本の主要企業に対する独占販売で協業する。
クリスタルは、各企業専用にカスタマイズされた最先端AIだ。すべての会議にクリスタルが参加して意見を述べる、営業や契約など交渉場面に秘書のごとく同席する、人間のオペレーターに代わってコールセンター業務をこなすといった具合に、企業経営の中核から末端までを支援するという。
OpenAIは最先端のAI研究や技術を提供して開発を担う一方、ソフトバンクグループは主に企業への販売や導入・活用支援を行う。傘下のソフトバンクに所属するエンジニアと営業人員などグループ社員を計1000人配置し、法人クライアントと日常的に向き合ってきた実績や強力な顧客基盤を持ち寄る。まずは1業種1社程度を対象に展開し、ノウハウが蓄積され次第、門戸を広げていく考えだ。
顧客第1号となるのが、ソフトバンクグループ。まさに「隗より始めよ」というスタイルだ。まずはグループ各社がクリスタルを導入し、傘下のソフトバンクでは1億以上のタスクを自動化するほか、イギリスの半導体設計会社であるアーム・ホールディングスもイノベーションを加速させるという。
クリスタルの開発・運用への対価として、ソフトバンクグループはSB OpenAI Japanに年間4500億円を支払うと表明。孫会長は、会場に居並ぶ有力企業のトップたちを諭しつつ、次のように桁違いのビジョンをぶち上げた。
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