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ジャカルタ「日本製電車」地元ファン熱狂の引退劇

東洋経済オンライン / 2026年2月14日 6時30分

今や、ジャカルタ中心部のドゥクアタス駅では人々がコミューターラインからMRTにどっと乗り換えるようになり、その動線上には決して単価の安くないコーヒーショップが立ち並んでいる。日本から渡った中古車両たちは、経済発展と共に急増する通勤需要を支えただけではなく、新たな都市文化をも育んできた。

鉄道ファンの増加もその一例だろう。イベントを訪れたファンの大多数は、10代から20代前半の若年層である。鉄道が趣味の対象として認知され、まして数千、数万という規模の趣味者が存在する国はそれほど多くない。

引退記念イベント「ARIGATO KRL」の企画、運営を担ったのはIRPS(Indonesian Railway Preservation Society)という団体だ。IRPSは02年に設立されたインドネシアで最も古い鉄道趣味者のコミュニティで、Preservation=保存の名称通り、鉄道会社と連携して主に古い駅舎や機関車などの保存活動をしており、現在、全国に約650人の会員を擁する。数ある鉄道コミュニティの中でも比較的年齢層が高いのが特徴で、KAIのOBらも加入している。

従来、インドネシアでの鉄道趣味の対象は機関車などが中心だった。06年には別の団体によって月刊の鉄道雑誌「Majalah Kereta Api」が創刊された(15年に廃刊)が、やはり主に取り上げられるのは機関車や長距離列車がメインで、日本の中古車両をはじめとする電車にスポットライトが当たることはまれであった。

日本の中古車両が変えた「ファン文化」

しかし、小学生や中学生のころに導入初期の日本の中古車両に親しみ、そしてインターネット経由で日本の鉄道事情にオンタイムに触れて育った世代が成長し、IRPSに加入する若いファンも増えてきた。今回のプロジェクトを動かしたのは、このような20代後半から30代前半のメンバーたちである。

【写真】寄せ書きにはどんなメッセージが?インドネシア語だけでなく日本語や韓国語などの書き込みも

こうした背景を考えると、まるで日本国内のイベントさながらの演出、そして引退車両を労い、送り出す鉄道ファンがインドネシアに存在するようになったことは感慨深いものがある。

しかし、人々の生活をも変えてきた日本の中古車両だが、今後は減っていく一方だ。よほどのことがない限り、再び中古車両を導入することはありえないだろう。そのような状況を、イベントに集まった鉄道ファンらはどう見ているのか。

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