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ジャカルタ「日本製電車」地元ファン熱狂の引退劇

東洋経済オンライン / 2026年2月14日 6時30分

実際にファンらに聞いてみると、引退車両への熱狂とは裏腹に、「これも時代の流れ」「新車を導入できるのならば新車に越したことはない」「中国製の新車が予想以上にいい」など、実に冷静な反応が返ってきた。事実、SNS上での人気車両投票も、中国製新車、日本の中古車両、INKA製の国産新車という順で、日本の中古車両は二番手となることが多くなった。

【写真】インドネシアに渡った日本の中古電車、東急8500系・東京メトロ7000系・JR203系がついに引退。記念イベントでは詰めかけた大勢の鉄道ファンが日本語で「ありがとー」「おつかれさまー」と声をあげて走り去る車両を見送り、サプライズで鉄道会社の元総裁も来場し熱気に包まれた

鉄道ファンで賑わう様子を一目見ようと、イベントに居合わせた現地邦字紙「じゃかるた新聞」元編集長の長谷川周人氏は、ファンの声に押されて中国製の新車に実際に乗ったという。同氏は、あくまでも素人目線だが……と前置きした上で、「予想以上にしっかりとした造りで、静粛性や乗り心地という点でも、当地における中国製品に抱くイメージが変わった」と語り、イベント会場で会った高校生のファンが話す「かっこいい・未来的」という印象がよくわかったという。

日本の中古車両は「郷愁」の対象に

日本の中古車両は確かに人気がある。グッズを発売すれば、まず売れるのは中古車両のデザインからだ。しかし、今やそれは「郷愁」という観点が色濃くなっており、「古くてもまだ新しい日本の電車」というイメージは失われつつある。鉄道ファンも急激に増える一方で、さらなる世代交代も進んでいる。

ある意味日本びいきともいえた鉄道ファンの視点でもこのような状況であれば、一般利用者の目線では中古車両より新車に軍配が上がるのは自然だろう。インドネシアがますます発展していく中で、単に「日本製だからいい」という、そんな神話が崩れたのもこの20年間の変化であることを実感する。1人の日本人として、一抹の寂しさを感じずにはいられない。

(高木 聡:アジアン鉄道ライター)

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