1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

ほぼ取れない! 寝台特急「サンライズ」の「サンライズツイン」測って納得、超人気のワケ

乗りものニュース / 2024年4月27日 15時12分

寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に使われる285系電車(安藤昌季撮影)。

日本唯一の定期寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。人気設備は発売開始と同時に売り切れます。特に2人用個室「サンライズツイン」は人気が高いですが、なぜなのか、また設備の特色はどんなものなのか、乗車して確かめてみました。

「みどりの窓口」で発券してもらわないとほぼ取れない

 1人用個室寝台を中心とした設備が多い寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。そのうち、2人で利用できる個室寝台として非常に人気があるのが、2人用B寝台個室「サンライズツイン」と、1~2人用B個室寝台「シングルツイン」です。
 
「シングルツイン」は1人用ですが、追加料金を支払って補助寝台を展開すると2人でも使えます。2人で使った場合の寝台料金は「サンライズツイン」が1万5400円、「シングルツイン」は1万5100円とほぼ同じです。
 
 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2024年3月の平日、下り「サンライズ瀬戸」の「サンライズツイン」を利用しました。「瀬戸」「出雲」それぞれに4室ずつと設定が少ないため、1か月前の10時の発売と同時に「みどりの窓口」で発券してもらわないと、ほぼ予約ができない超人気設備です。

 それゆえそもそも席は選べませんが、座席鉄として「予約できたら嬉しい席」は、東京発が2・4番個室、高松・出雲市発が1・3番個室です。理由は進行方向を向いて壁にもたれかかり、寝台に足を伸ばした際に、寝台の広いところを背中側にでき景色を見やすいからです。

 乗り心地がよいのは車両中央部の2・3番個室で、今回予約したのは3番。3番は喫煙室ですが、4番の乗客がタバコを吸わなかったので、快適に過ごせました。以前4番を利用した時は、3番の乗客がタバコを吸っており煙が少し入ってきました。

 1・2番は禁煙室なのですが、予約時に「みどりの窓口」で禁煙室を指定しようとすると、駅係員から「禁煙指定をすると、ほとんど取れなくなりますが、よろしいですか」と尋ねられたほどの人気。実際、筆者が禁煙室を予約できたのは1度だけです。

鉄道誌と異なる寝台幅

 階段を4段降りた階下に個室扉があります。扉の幅は62cm。「シングルデラックス」より1cm狭いです。扉には室内確認用の小さな窓と、室内側には鏡が付いています。鏡は縦85cm、横22.5cmで姿鏡として使えます。個室入口から見て、左右に寝台がレール方向に並べられており、ホテルのツインルーム感のある個室です。

 側窓のある側の寝台の端は荷物置き場で、幅58cm、奥行は22cm。ハンガーもかけられています。

 次に寝台を測ってみました。長さは195cm、入口の狭い箇所は62cmです。広い部分は鉄道誌では75cmとされているのですが、窓側の寝台が76cm、通路側の寝台が77cmあります。普通のB寝台個室は70cmですので、どうりで広く感じられ、寝心地が違ったわけです。

 寝台からの転落防止設備はありませんが、床からの高さは38.5cmですから、落ちて怪我することはないでしょう。寝台と寝台のあいだは42cmあります。幅42cm、高さ38.5cmの何かを持ちこめれば、寝台間を連結できるのですが、なかなか難しそうです。運行開始時には子ども向け補助ベッドの企画もあったようなのですが……。

 窓側の寝台の天井には、冷房の吹き出し口もあります。寝台から天井までは146cm、床から天井までは184.5cmでした。

 通路側の寝台の壁面には荷物置き場があり、高さ45cm、横幅77cm、奥行35.4cmとかなり広め。2人分のリュックサックが楽々入りました。小さな子どもと添い寝する場合、腕を逃がして寝台を広く使えそうな位置です。

 寝台の壁面には横長で細い鏡があり、圧迫感を軽減しています。測ると横71cm、縦21cmでした。寝台間にはコントロールパネルがあり、機能は目覚まし付き時計、室内灯スイッチ、足元灯スイッチ、暖房調節、常夜灯スイッチ、非常ボタンです。ラジオも付いていましたが、今は機能していないようです。

 コンセントと小テーブルもあります。小テーブルは横36cm、奥行30cmとやや小さめ。駅弁を載せるにしても1つが限度、というサイズ感です。コップが2つサービスされ、喫煙室なので灰皿もあります。自分がタバコを吸わなければ、ヤニ臭さはしません。

乗車率はどのくらい?

 床には横幅24.8cm、縦幅12.7cm、箱の深さ22cmのゴミ箱も。縦27cm、横12cmのスリッパも2つあります。寝具は枕、毛布、浴衣、シーツがサービスされます。枕は横幅47cm、縦幅20cm、高さ10cmです。

 側窓は幅118cm、高さ74cmでした。階下なので視点は低いですが、景色はそれなりに見えます。「瀬戸」の場合、瀬戸大橋では海も見えますが、大半の区間は防音壁で視界が遮断されるので、ここは2階の「シングルデラックス」「シングル」に軍配があがります。

「サンライズツイン」はとにかく広い点が長所です。また階下のため、振動も小さめ。B寝台なので、始発駅から乗車して並ばないとシャワーカードを購入できないのは難点ですが、スペースとしてはA寝台に近いものがあり、床も含めて荷物を持ち込めるのもよいでしょう。

 また、2人が寝ながら話せるのも大きな魅力です。同じく2人用で使える「シングルツイン」は2段寝台のため、構造的に寝ながら2人が会話するのは難しいです。

 さて列車全体の利用状況はどのくらいだったでしょうか。「瀬戸」「出雲」ともインターネットでは全設備満席でしたが、車内を確認すると実際は「瀬戸」に「シングル」1室、「ソロ」1室、「ノビノビ座席」1席の空席がありました。乗車率は98%です。一方の「出雲」は「ノビノビ座席」が2席空席で、乗車率は99%でした。

 春休み中とはいえ、「サンライズ瀬戸・出雲」の人気は大きなものと実感します。この日は上下満員でしたので、最大632名の異なる乗客が利用していることになるわけです。遅延しやすいので、ビジネス利用が少ないともいわれるこの列車が、毎日運転にも関わらず高い乗車率を維持するのは、「この列車のファンであるリピーター」が、少なからず存在するのだろうと感じました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください