「角川61式戦車」未だ現役 映画『ぼくらの七日間戦争』で活躍 直近ではとんでもない場所に登場!?

2019年にヨルダンの博物館へ貸与されることになり船積みされる直前の61式戦車（画像：防衛装備庁）。

映画にもなった『ぼくらの七日間戦争』の作者、宗田 理さんが亡くなりました。同作品の映画は、劇中に登場した「角川61式」戦車が有名ですが、実はこの戦車レプリカ、最近も“稼働”しています。

やたら目立っていたが原作では未登場！

『ぼくらの七日間戦争』から始まる「ぼくらの」シリーズの作者である作家の宗田 理さんが、2024年4月8日に亡くなっていたことが、4月16日に報じられました。95歳でした。

　同シリーズといえば、俳優、宮沢りえさんの映画デビュー作で、1988年に公開された映画『ぼくらの七日間戦争』が有名です。

　同作での宮沢さんの存在感については語りつくされた感がありますが、劇中で宮沢さん演じる中山ひとみが「エレーナ」と命名したレプリカの陸上自衛隊61式戦車もインパクトを残しています。クライマックスシーンでは子供たちに落書きされた状態で花火の打ち上げ台となり、かなり目立っていましたが、実は原作には一切登場しない車両です。

　同作で登場した61式戦車のレプリカは、もともと1979年公開された映画『戦国自衛隊』用に製作を担当した角川春樹事務所が作ったもので、「角川61式」とも呼ばれています。『戦国自衛隊』の映画公開に連動した宣伝キャンぺーンの後、同車両は、ほかの撮影用小道具などと一緒にオークションへ出されましたが、購入者は現れず、同じ角川春樹事務所が製作した『ぼくらの七日間戦争』でも使用されることになります。

現状最新の貸し出しはYouTuber!?

　その後は、角川春樹事務所が手放し、国内某社が所有することになります。その担当者からは「確かに、現在は弊社が所有しています。当時、角川の撮影所の方から『引き取ってくれないか』という相談がありました」と聞きました。

　同社は車両系の撮影用機材をメインに扱っており、角川春樹事務所よりも環境が整っているので、是非にという話だったそうです。

　その後、同車両は『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』（日本テレビ系）に登場したほか、2003年に放送された明石家さんまさん主演のドラマ『さとうきび畑の唄』（TBS系）では、アメリカ軍戦車として登場。さらに、2012年にはソフトウェア開発を手掛けるサイボウズ社のプロモーション活動の一環として、青色のラッピングステッカーを貼られて、六本木ヒルズに姿を現しました。これらの貸し出しは全て同社から行ったとのことです。

　2024年4月現在で一番新しい貸し出し歴について確認すると、「3年前くらいだったと思いますが、YouTubeの人から、街で動かすということで貸し出したことがあります」と担当者。おそらくこれは2人組YouTuberの水溜りボンドがYouTubeに投稿した「本物の戦車でドライブスルー行ってみたwww」の撮影用に借りたものだと思われます。