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「素晴らしい技術も、全ては皆さんを映画の世界に連れていくためのサポートに過ぎないと思っています」『猿の惑星/キングダム』ウェス・ボール監督【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年5月13日 8時0分

「素晴らしい技術も、全ては皆さんを映画の世界に連れていくためのサポートに過ぎないと思っています」『猿の惑星/キングダム』ウェス・ボール監督【インタビュー】

 現在から300年後、人類と猿の立場が完全に逆転し、猿が独裁支配をもくろむ衝撃的な世界を大胆に描いた「猿の惑星」新サーガの第1章『猿の惑星/キングダム』が公開された。来日したウェス・ボール監督に話を聞いた。

-最初の『猿の惑星』(68)から50年以上の月日が流れていますが、その間、今回の映画に至るまで、人間と猿の立場が逆転するというドラマが作り続けられている理由はどこにあると思いますか。

 フランソワ・トリュフォー監督が「偉大な映画とは、スペクタクルと真実を完璧に混ぜたものである」と言っています。このシリーズにはその言葉が当てはまると思います。キャラクターは猿たちなのに、私たちは彼らに人間として共感して、警鐘の物語として映画を見ます。また、憧れの対象となるような猿のキャラクターは、人間の一番いい資質を持っている。作品自体も「人間とは?」という問い掛けをしてくれる。とても思慮深く、人間の本質に触れるような深い意味を持つ作品でありながら、スペクタクルの要素もある。そんなところが理由ではないでしょうか。

-ある意味、これは猿の姿を借りて繰り広げられる“人間ドラマ”であり、ウイルスのまん延や紛争などのメタファーにもなっていますよね。

 真実というものが、いかにゆがめられているかということです。今の世界では真実は一つではなくいろいろな見方ができる。だからレガシー、ヒストリーといったものも、悪人の手に渡ったら、ゆがめられて利用されたりもする。そうしたことにもこの映画は言及しています。

-昔のシリーズは、人間に特殊メークを施して猿にしていました。今はモーションキャプチャーやVFXを使って猿を作り出しています。そう考えると、このシリーズは、映画技術の進歩を象徴しているともいえますね。

 その通りです。僕らはフィルムメーカーとして最新のテクノロジーを使ってストーリーをつづっています。壁画を描いた原始人から始まって、動画が作られて、今ここまで来て、これからはAIも出てくる。アーティストとしても、今後はそういうものも取り入れていくと思います。

-この映画には、主人公のノアをはじめ、いろいろなキャラクターが出てきますが、キャラクターの造形でこだわったことはありましたか。

 例えば、デザインの観点から言うと、このシリーズの場合は、それが誰なのかが分かるというのはとても重要なことです。簡単に皆が似ている状態になってしまうので、それぞれをちゃんと区別できるように意識しました。あとは、果たしてどこまで彼らに感情移入をすることができるのかという点です。彼らに、生きている存在としての信ぴょう性を持たせて、リアルに感じさせることが大事でした。

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